2年ぶり新年一般参賀――にこやかに国民との触れ合い
■絶好の“参賀日和” 新年一般参賀におよそ6万人
――皇居で1月2日、「新年一般参賀」が行われ、天皇皇后両陛下が、上皇ご夫妻や愛子さま、皇族方と宮殿のベランダに立たれました。
天皇陛下:「新年おめでとうございます。皆さんとこうして新年を一緒に祝うことをうれしく思います。その一方で、昨年の元日に発生した能登半島地震や、各地で起こった大雨の災害などにより、いまだにご苦労の多い生活をされている多くの方々の身を案じています。いろいろと大変なこともあるかと思いますが、本年がみなさんにとって、安らかで良い年となるよう願っております」
去年の新年一般参賀は元日の能登半島地震で中止となり、開催は2年ぶりとなりました。参賀は合わせて5回行われ、6万人余りが集まりました。
――井上さんも行かれたそうですね。
はい。雲一つない快晴で、絶好の“参賀日和”でした。
――こちらの写真が井上さんですね。
はい。1回目のお出ましを見てきました。
午前7時過ぎから3時間並んでお出ましを待ちました。去年は能登の地震で中止となりましたので、参賀を楽しみに多くの人たちが朝から集まった印象です。天皇陛下はお言葉で、能登半島地震や各地の大雨被害で被災した人たちの身を強く案じられていましたが、冒頭の「新年おめでとうございます」という声は、弾んでいるように聞こえましたから、国民と触れ合う機会を喜ばれていたんだろうなと思いました。
――上皇ご夫妻もにこやかに立たれていましたね。
上皇后さまは去年10月に大腿骨を骨折し、回復がとても気がかりでしたが、杖なしで姿を見せられました。上皇さまも、上皇后さまも、穏やかな表情でした。
◾️新年一般参賀75年超の歴史 2回目の愛子さまの堂々と…
――愛子さまの笑顔も大きな話題となりました。
愛子さまには、2023年に次ぐ2回目の新年一般参賀でしたが、堂々とされ、とても頼もしく感じました。
新年の一般参賀は、昭和23年に「記帳」の形で始まり、昭和26年から昭和天皇が香淳皇后と共に行事として宮内庁のバルコニーに立つようになって75年を超す歴史があります。外国の旅行客の姿も多く、年の始めの行事として大事にしたいと思いました。
――75年ですか。新年の初めから皆さん本当にいい笑顔をされていました。なかなかこういった機会はないですし、私もまだ行ったことがないので行ってみたいと思います。
【井上茂男(いのうえ・しげお)】
日本テレビ客員解説員。皇室ジャーナリスト。元読売新聞編集委員。1957年生まれ。読売新聞社で宮内庁担当として天皇皇后両陛下のご結婚を取材。警視庁キャップ、社会部デスクなどを経て、編集委員として雅子さまの病気や愛子さまの成長を取材した。著書に『皇室ダイアリー』(中央公論新社)、『番記者が見た新天皇の素顔』(中公新書ラクレ)