母の思いは…「娘に会いたい 抱きしめたい」 上級生による「14のパワハラ行為」宝塚歌劇団が一転認め、謝罪
28日、25歳の劇団員が亡くなった問題で、緊急会見を開いた宝塚歌劇団。上級生による14のパワハラ行為を認め謝罪しました。同じ時間に、遺族側の会見も行われ、「娘に会いたい」「抱きしめたい」などと、母親の思いが明かされました。
「パワハラなどはなかった」当初のスタンスから、一転。
阪急阪神HD 嶋田泰夫社長
「改めてご遺族のみなさまに心より謝罪を申し上げたいと思います」
28日、緊急会見でパワハラがあったことを認めて謝罪した宝塚歌劇団。
阪急阪神HD 嶋田泰夫社長
「宝塚歌劇の舞台の上で活躍することを夢見て、希望を持って入団されたご本人が、どのようなお気持ちであったか。取り返しのつかないことをしてしまいましたことにつきまして、申し開きのしようもございません」
亡くなった女性の遺族側と直接面会して謝罪し、合意書を締結したことを明らかにしました。
「宙組」として舞台にもあがっていた25歳の女性が、自ら命を絶ったとみられる問題。
その原因について遺族側が訴えていたのは、上級生からの「下級生の失敗はすべてあんたのせいや」といった“心ない叱責”や“上級生がヘアアイロンで女性にやけどを負わせたこと”などを含む、数々のパワハラ行為です。
去年11月の段階では「確認できなかった」としてきましたが、28日に14件のパワハラ行為を認めたと発表しました。
阪急阪神HD 大塚順一執行役員
「ご遺族とさまざまな話し合いを重ねてきた結果、最終的に14項目に整理して合意したものでございます」
ちょうど同じ頃、東京で遺族側の会見が行われていました。上級生や劇団幹部らあわせて6人から謝罪の手紙を受け取ったことを明らかにし、亡くなった劇団員の母の思いが読み上げられました。
亡くなった劇団員の母親のコメント
「娘に会いたい、抱きしめたい、ここに居てくれたらと一日のうちの瞬間、瞬間に何度も思っています。娘は決して弱かったわけでも、我慢が足りなかったわけでもありません。過酷な労働環境と、酷いパワハラの中でも、全力で、笑顔で舞台に立っていました」
「一切パワハラは無かったと主張された劇団が、多くのパワハラを認め、本日ようやく調印となりました。言葉では言い表せないたくさんの複雑な想いがあります。娘に会いたい、生きていてほしかったです」
「全ての責任が自分たちにある」と述べた歌劇団側。
阪急阪神HD 嶋田泰夫社長
「こういった環境であるとか組織風土を時代に合わせて変えてこなかったのは、まさに劇団でございまして、その責任は極めて重いと考えております」
再発防止策として、稽古スケジュールの見直しの強化や、来月から外部の有識者らが助言するアドバイザリーボードを設置。宝塚歌劇団の抜本的な改革を進めていくとしています。
(3月28日放送『news zero』より)