塩野義コロナ治療薬 審議継続へ「さらに慎重に議論重ねる必要」~厚労省専門部会
塩野義製薬が承認申請した新型コロナウイルスの治療薬について、厚生労働省の専門部会は、「さらに慎重に議論を重ねる必要がある」として、22日は了承の結論が出ず、審議を続けることになりました。
厚労省の専門部会は、新型コロナ治療薬として塩野義製薬が開発した「ゾコーバ」について、「本日の議論を踏まえ、さらに慎重に議論を重ねる必要がある」とし、承認を了承する結論が22日は出なかったとして、審議を続けることとしました。
数週間以内に、より幅広い専門家を加えた別の分科会と合同で公開の場で審議し、判断を示す方針です。
この治療薬は、主に無症状や軽症の人向けの口から飲む錠剤タイプで、塩野義製薬は、先月、創設された「緊急承認制度」を適用しての承認を求めていました。
部会では、「第7波や新たな変異株のおそれもあり、治療の選択肢を持つのは重要」だとして、緊急承認に肯定的な意見が出た一方で、これまでの臨床試験で、体内のウイルス量を減少させる効果が確認されているものの、症状の改善に関しては、投与していない人と比べて統計学的な効果が認められていないことから、「ウイルス量を減らす因子は確かにあるが、臨床症状の改善は示されていない」といった指摘も出たということです。