混迷を極める新アリーナ建設 反対派の長坂尚登市長が繰り出した「奥の手」 愛知・豊橋市
いったい、どのような結末を迎えるのでしょうか。
新アリーナの建設を巡り、揺れる豊橋市。
「建設反対」を掲げる長坂尚登市長は14日、建設を進めたい市議会に対して、ある奥の手を出しました。
新アリーナ建設反対を掲げる長坂市長が、三遠の試合を観戦
11日に行われていたのは、豊橋市にホームアリーナがあるプロバスケットボールB1リーグの「三遠ネオフェニックス」の試合。
そこに現れたのは、長坂市長。
この日は「豊橋市DAY」ということで、三遠のTシャツを着てコート最前列で応援しました。
応援する姿の一方、長坂市長は昨年11月、三遠が本拠地を置く予定の多目的屋内施設(新アリーナ)の建設中止の公約を掲げ初当選しました。現在、総額約230億円となる建設計画の中止に向けて動いています。
昨年12月26日に開かれた市議会では、建設中止に向けて動く市長に対して、市が結んだ契約の解除には議会の議決を必要とする条例案を、市議会の多数を占める建設賛成派が提出、可決されました。
新アリーナの建設中止を、市長の判断だけでは中止にできないかたちにしたのです。
長坂市長が出した、市議会に対する「奥の手」
先日の市議会の動きに対して、長坂市長は14日、”ある手”を打ちました。
市長は「契約の解除は市の権限であり、条例の改正案は地方自治法に違反する」と主張したのです。
長坂尚登市長:
「市としては、議員の方々が出されて議決された条例案の内容は、法令に違反するまたは議会の権限を越えている、という判断をしました」
そのため、事実上の”拒否権”にあたる「再議」とし、条例案を再び議会で審議することを長坂市長は求めました。
再議は、“拒否権”とも言われる市長の権利です。
議会は条例案をもう一度議論し、採決することになります。
議会で再議され条例案が可決されると、市長が取りうる選択肢は2つに絞られます。
① 議会の議決に従うか。
② 不服として裁判所に申し立てるか。
この条例案の「再議」は、今月29日の市議会で行われる予定です。
年を明けても続く、豊橋市の新アリーナ問題。果たしてどのような決着を迎えるのでしょうか。