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「サーファーの街」を広め移住者を呼び込もう 海から歩いて5分の分譲住宅を25区画用意 愛知・田原市

2025年2月17日 18:40
「サーファーの街」を広め移住者を呼び込もう 海から歩いて5分の分譲住宅を25区画用意 愛知・田原市
この2月に完成したモデルハウス(田原市提供)
「サーファーの街」として移住者を呼び込もうと、愛知県田原市が2024年4月から、海から5分という近さをセールスポイントにして弥八島地区で宅地分譲を行っています。

田原市は人口5万8210人(25年1月31日時点)。人口減少を食い止めるため、「海を愛する人」、特にサーファーに向けて移住を呼びかけています。

宅地分譲は、敷地面積200~280平方メートルの全25区画。土地の販売価格は740万~1260万円を想定、木造の住宅と合わせて最安値で3500万円前後となっています。分譲は6期に分けて26年3月31日まで続き、25年2月時点は2期目の途中に当たります。1期はまず3区画を売り出し、完売しました。

商業施設のブランディングやプロデュースを手がけるバンブック(東京都渋谷区)が宅地分譲や景観形成の業務を担当し、25区画のうち1区画をモデルハウスとして、県内外の購入希望者の見学を受け付けています。

住宅にはサーファーが暮らしやすい設備や間取りを用意。海から帰宅した際に家に入らなくても砂や潮などの汚れを洗い流せるように、住宅の一角に屋外シャワーを備えています。

屋根付きのデッキも整備され、サーフボードのメンテナンスなどを屋外で行えるようになっています。サーフボードを複数立て掛けられるラックが、屋内には据え付けられています。

住居はサーフィンが盛んなアメリカ西海岸のカリフォルニア州をイメージしたデザインで統一。当初、計画段階ではアパートやマンションといった住居形態も構想されましたが、サーフタウンとしてまとまった街並みの景観を演出するため、田原市は戸建てでの分譲にこだわりました。

分譲が開始されて以降、バンブックには問い合わせや移住の相談が相次いでおり、モデルハウスがこの2月に完成してからは見学希望者が増加。カタログ請求の問い合わせも計400件を超え、顧客対応を急いでいます。最大で60万円まで利用できる市の「定住・移住促進奨励金」などの補助金や予算の見積もりといった相談も続いているといいます。

田原市の担当者は「湘南や千葉、宮崎県の日向といったサーフィンの有名地に負けない街にしていきたい」と意気込みを見せています。

田原市の南西に位置する太平洋ロングビーチはサーファーの間ではサーフスポットとして有名でした。その知名度を生かし、「サーフィンのワールドカップ」といわれる「ワールドサーフィンゲームス」を18年9月に開催しました。26年秋には、アジア競技大会のサーフィン会場の開催予定地となっています。
住宅分譲に携わる関係者らは、アジア大会開催の勢いに乗り、田原市の移住先としての魅力を県内外の多くの人たちに伝えていきたいということです。

サーフィンといえばかつては湘南や江ノ島、宮崎県の日南海岸などの有名地からの情報発信が盛んでしたが、バンブックの担当者によりますと「近年は『関係人口』が地域活性化のカギを握っており、田原市は多くのサーファーが注目する格好のコンテンツをもっている」といいます。「サーフィン人口は全国で確実に広がりつつあり、居住地域や年齢、職業などにこだわらず、サーフィンを通じて多くの人がつながる『オープン化』を田原の街でつくりだしていけたら」と話しています。

最終更新日:2025年2月17日 18:40
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