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CO2を排出しない「水素エネルギー」で脱炭素社会を実現! 給湯器から電車まで技術開発が進む

2023年11月10日 19:23
CO2を排出しない「水素エネルギー」で脱炭素社会を実現! 給湯器から電車まで技術開発が進む

2020年10月、政府は「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする 、カーボンニュートラルの実現を目指す」と宣言。これにより化石燃料に置き換わる次世代エネルギーの技術開発が急務となっているが、二酸化炭素を出さない「水素エネルギー」の実用化が着々と進んでいるようだ。

注目を集める「水素エネルギー」 環境に優しい2大メリット

なぜ水素エネルギーが注目されているのか、ご存じだろうか。資源エネルギー庁のホームページによると、水素エネルギーには大きなメリットが二つあるという。

一つは、CO2を排出しないということ。水素は酸素と結びつけて発電したり、燃焼させて熱エネルギーとして利用したりすることができるが、その過程でCO2が排出されないのだ。世界的にカーボンニュートラルの実現を推し進める中、これは非常に大きなメリットだといえるだろう。

もう一つは、さまざまな資源から水素を作ることが可能だということ。水から取り出せるのはもちろんのこと、下水汚泥や廃プラスチックなどを利用することもできる。また、製鉄所などの製造プロセスの中でも水素は発生する。つまり、化石燃料のように枯渇する心配がない。安価な資源から水素を作ればエネルギーコストも抑制できるというわけだ。

このようなメリットから注目を集めている水素エネルギー。一部ではすでに実用化が進んでいるが、さらに使い道を広げ、身近なエネルギーとして活用してくためには、クリアしなければいけない課題もあるようだ。

実用化まであと少し! 家庭用給湯器も「水素エネルギー」の時代に

家庭の中で一番エネルギーを使う給湯器。それを脱炭素化できればカーボンニュートラルに寄与できる。リンナイはそこに目をつけ、100%の水素を燃焼して湯を沸かす家庭用給湯器の開発を始めたが、大きな課題が立ちはだかった。水素には、「爆発の危険性」や「不安定な燃焼」といったデメリットがあるからだ。

これが実用化の足かせとなったが、給湯器の炎の吹き出し口の材質や網目の大きさなどを改良し、2年半ほどかけて課題を解決したという。現在は2030年の実用化に向けて、オーストラリアと福岡県で耐久性を調べる実証実験が行われているそうだ。

他にも、コストダウンやインフラ拡充なども水素エネルギーの課題ではあるが、解決に向けての取り組みは進んでいる。水素が身近なエネルギーとなる日は、本当に目前まで迫っているのかもしれない。

モビリティ業界でも「水素エネルギー」への置き換えが着々と進行中

11月5日に閉幕したジャパンモビリティショーでも、水素エネルギーを活用した技術が注目されていた。

期間中、特設ステージでライブイベントが行われていたのだが、そのライブで使用する電気は、水素を化学反応させて電気を作る燃料電池車から供給されていた。その他、水素を使った燃料電池ハイブリッド電車の展示などもあり、モビリティ業界でも水素エネルギーへの置き換えが着々と進んでいる様子が垣間見えた。

このように様々な分野で水素エネルギーへの代替が進んでいる。脱炭素社会の実現に向けて水素が次世代エネルギーの本命になるかもしれない。

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