合わせて5トン超の巨大岩塩が売れた⁉ 引き渡し当日の悲喜こもごも 愛知・東浦町
巨大岩塩の買い手はどんな人……⁉
「いまゆっくりと、トラックの荷台に到着しました」
今日、東浦町で大きなトラックに載せられた2つの巨大な物体。
町が所有していた“岩塩”です。
東浦町民は、喜びの声を次々に上げます。
「ようやく! よかったです」
「(2つとも)同じ人が買ったの? わーすごいー」
「(1つ)21万円⁉」
去年4月から東浦町がフリマサイトに出品していた巨大な岩塩がついに売れたのです!
お値段は2つで、なんと42万円!
購入したのは、こちらの大嶋隆美(おおしま・たかみ)さん。
大嶋隆美さん:
「岩塩に対しての知識なんか私はまったくなかった。(しかし)自然の木と石に非常に興味を持っていましてね。うちにある岩塩はこれぐらい(の大きさ)。食べるために買って持っていますが、こんなやつは化け物です。全然想像もできませんでした」
平安時代の書物にも、塩の産地として記載のある東浦町。
郷土資料館をオープンさせる際、「世界の塩」も展示しようと町が1999年に購入。長年、入館者を出迎えてきました。
しかし、(6年前の)展示品のリニューアルにより、岩塩は展示から撤去。
およそ6年間、倉庫に眠っていました。
「フリマサイトで購入者を募ろうかなと思っています」と、去年2月に話していた担当者。
リサイクルやリユースを推進する東浦町の政策もあり、去年4月にフリマサイトで岩塩の購入者を募ることに。
新たな所有者と共に、九州へと旅立っていった巨大岩塩
購入した岩塩をトラックに載せて、大嶋さんはどこへ運ぶのでしょうか……。
トラックのナンバーを見ると……なんと北九州⁉
大嶋さんのお住まいは、なんと福岡県!
今回、購入を決めた大嶋さんは(福岡県行橋市で)鉄工所を経営する傍ら、自然薯(じねんじょ)も栽培していて、岩塩はその直売所に置いて展示するそうです。
大嶋さんは昨日の朝に福岡を出発し、陸路で12時間かけて東浦町に到着。
岩塩を積み込んだら急いで大阪へ。そこからフェリーに乗って福岡へ帰るそうです。
大嶋隆美さん:
「だいたい夕方6時に着く予定でしたが、12時間かかっちゃったもんやから。(予約していたホテルの)食事時間の夜9時が過ぎまして……行ったら何もなくて、知多のごちそうをいただけませんでした……」
20年以上、東浦町の所有だった巨大岩塩。
その旅立ちを丘の上から見守っていた日高輝夫町長を発見!
日高輝夫町長:
「購入いただけるということで喜びもあるが、職員と話していたら一抹のさびしさも感じて……」
東浦町の巨大岩塩は売れた喜びと一抹のさびしさを残して、お昼過ぎ、九州へと旅立っていきました。