「まん延防止」16都道府県で“解除”へ 飲食店の“課題”は…
今月21日に期限を迎える“まん延防止等重点措置”ですが、政府は東京など16都道府県を解除する方向で調整していることがわかりました。しかし、飲食店では素直に解除を喜べない問題が起きていました。一方、本格的な観光シーズンに向けて、政府の観光支援策「GoToトラベル」の再開も注目されています。
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最高気温が20度を超えた東京は、4月下旬並の陽気となりました。都内の公園では、半袖で遊ぶ子供たちの姿がありました。
また「早咲きの桜」が、鮮やかな花を咲かせている様子もみられました。23日にも開花が予想されている東京の桜。その開花発表とともに注目されるのが、今月21日に期限を迎える18都道府県へのまん延防止等重点措置についての判断です。
複数の政府関係者によりますと、政府は、東京、北海道、神奈川、京都など16都道府県を解除する方向で調整しています。
小池都知事は15日、延長を求めないと国に通知したと述べました。
東京都・小池知事
「さきほど国に(延長を求めないことを)要望したということです。ただ、リバウンドはあっという間にします。警戒を怠ることはありません」
残る愛知と大阪について、政府関係者は「病床使用率などの面から解除できるかわからない」と話しています。
岸田首相は16日、政府の方針を固め、記者会見で説明することにしています。
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“まん延防止”解除への動きに、東京・新宿にある会席料理店は――
個室会席 北大路 新宿茶寮・秋葉洋信料理長
「飲食店が大打撃を食らって、みんな苦しんでいたと思う。感染者数が減っていない中で人が集まる状況なので、より一層気をつけながらサービスも料理も提供できたらと思う」
本来であれば歓送迎会シーズンで、連日満席の状態だということですが、度重なる宣言などの影響もあり、売り上げは例年の4割ほどに落ち込んでいるといいます。
“まん延防止”の解除に期待する一方で、ある問題もあります。
個室会席 北大路 新宿茶寮・秋葉洋信料理長
「お客さんが来ていただいて、いいサービスといい料理をと思っているんですけど、従業員の少ない人数でどこまでできるかというのは、やはり懸念するところ」
コロナ禍でスタッフの確保に苦労していて、利用客が戻ってきたとしても本来の半分ほどの人員で回すほかないということです。
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一方、本格的な観光シーズンに向けて注目されるのが、政府の観光支援策「GoToトラベル」です。
今月12日、その再開時期について問われた岸田首相は、「(GoToトラベルへの)期待が大変大きいということは我々も認識をしています。適切な時期が来たならば、迅速に再開をできるように政府としても準備は進めていきたい」と述べています。
千葉県南房総市にある旅館「千倉温泉 千倉館」は、コロナ禍の前と比べると宿泊客が3~4割も減っていますが、「GoToトラベル」が行われていた期間中に限ると、平日でも満室の状況が続いていたといいます。
千倉温泉 千倉館・田仲洋之支配人
「GoTo(トラベル)が始まればお客さんも多くなってくるし、みんな待ち望んでいることですね」
また、いちご狩りなどが楽しめる君津市の観光宿泊施設「ロマンの森共和国」でも、「GoToトラベル」の再開が期待されています。
ロマンの森共和国・岩堀哲夫営業課長
「まん延防止の解除は、お客さんの背中を押す一押しになるのでは。GoTo(トラベル)再開によって、お客様が少しは来て楽しんでいただけるのかと」
コロナ禍で迎える3度目の春。“まん延防止”を解除するかどうかに加え「GoToトラベル」再開のタイミングも注目されます。