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ジャニーズ“性加害問題” 日本テレビとして自己検証 「マスメディアの沈黙」指摘ふまえ社内調査を実施【概要版】

2023年10月5日 0:02
ジャニーズ“性加害問題” 日本テレビとして自己検証 「マスメディアの沈黙」指摘ふまえ社内調査を実施【概要版】
ジャニーズ事務所のジャニー喜多川 元社長の性加害問題をめぐり、「マスメディアの沈黙」と指摘されたことを受け、日本テレビは社内調査を行い、これまでにわかった内容について、4日夕方のニュース番組で報告しました。

社内調査では20年以上過去にさかのぼり、報道局の記者やジャニーズ事務所と向き合っていた番組担当者、各部署の幹部らから幅広くヒアリングを行いました。

まず、1999年にジャニー氏の性加害行為を「セクハラ」と指摘した週刊文春の記事をめぐり、ジャニーズ側が名誉毀損(きそん)で訴えた裁判で、セクハラ記事の真実性を認めた判決を報じなかった経緯について調べました。
その結果、ジャニーズ事務所への忖度(そんたく)や事務所からの圧力は確認できなかったこと、芸能ゴシップだと軽く捉えていたこと、男性への性加害全般に対する問題意識が低かったことがわかったと報告しました。

また、日本テレビとジャニーズ事務所との関係については、20年以上前から日本テレビ社内ではジャニーズ事務所を怒らせるとキャスティングができなくなるのでは、といった認識や雰囲気が生まれていたとしました。

そうした中、報道局でも2018年、当時、ジャニーズ事務所に所属し日本テレビの番組にも出演していたタレントの強制わいせつ事件で、報道幹部が必要以上に慎重になり、書類送検(後に不起訴)についての放送が、他社よりも遅れることがあったとしました。

さらに今年3月、イギリスBBCがジャニー氏の性加害を告発する特集番組を放送した際、報道局の担当者らがジャニーズ事務所への取材のハードルの高さを感じたことでこれを報道する動きが止まったとしました。

番組の中で日本テレビの伊佐治健 報道局長は「(週刊文春の「セクハラ記事訴訟」当時)男性への性加害に鈍感だった。報道するべき機会を逃し、結果的に被害を拡大させたことは痛恨の極み」「ジャニーズ事務所との長い付き合いの中で、言うべきことが言えなくなっていたのではないかと、厳しく見つめ直さなければならない。性加害はもちろん、どんな相手のどんな不正でも絶対に許さない強い姿勢で臨んでいく」と述べました。

また、日本テレビは人権尊重に取り組む「人権方針」を新たに作り、重要課題として「差別やハラスメントの禁止」「人権を尊重したコンテンツ作り」などを掲げることを報告しました。

番組にはメディア論とジェンダー研究が専門の東京大学大学院の田中東子教授が出演し、「報道の現場で萎縮や忖度があったことはメディアの研究者としては非常にショッキング」「報道には正義を第一に貫いてほしかった」と述べました。
その上で、「新たに人権意識を高めるにあたって、具体的な対策を外部にわかる形で公開し、しっかり実行してほしい」と求めました。
(10月4日放送『news zero』より)

●社内調査の結果を伝えた4日夕方の『news every.』の放送内容(調査報告の全編)は、こちらからご覧いただけます。

https://news.ntv.co.jp/category/society/0e3eeaced05341d78d6eb22eb962186f

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