拉致問題を風化させないで 拉致被害者・地村保志さん「真相解明に向けて努力を」 警察官対象に初めての講演会
北朝鮮による拉致問題の解決に向けて、小浜市の拉致被害者・地村保志さんが24日、小浜署で警察官を対象にした初めての講演会を開き「真相解明に向けて努力を続けてほしい」と訴えました。
■地村保志さん
「いまだに全く進展のない状況が続いている。被害者やその家族たちの高齢化によって、本当に時間がない。時限の問題になってきている」
この講演会は拉致問題を風化させないようにと、県警が開いたもので、小浜署や県警本部の職員合わせて70人が出席しました。
地村さんは拉致された時の状況や北朝鮮での生活について語った他、帰国後に警察署員に支えられたことで社会復帰が果たせたと感謝を伝えました。
■小浜警察署 警務課 野口諒平巡査部長
「自分が管轄する管内で、悲惨な拉致の事件が発生してしまったことをもう一度肝に銘じて、自分自身ができる普段のパトロールをしっかりしようと思った」
ところで、岸田総理が「日朝首脳会談の実現に向けて、直轄のハイレベル協議を続ける」と発言したことに対し、地村さんは憤りをあらわにしました。
■地村保志さん
「“実務者協議”という言葉が入ったので、ちょっと踏み込んで拉致問題をしてくれると思っていたが、口先ばかりで何の動きもない。日本が(北朝鮮に)行って交渉しないと、絶対に解決できない」
地村さんは拉致問題を風化させないために、今後も若い世代に向けて講演を続けることにしています。