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環境の整った県内へ 福祉避難所から2次避難 被災者の“生きる力”を引き出す

2024年1月29日 20:19
環境の整った県内へ 福祉避難所から2次避難 被災者の“生きる力”を引き出す
自衛隊の車両で2次避難する水口さん=27日午前9時、輪島市内の福祉避難所(医療法人社団オレンジ提供)

能登半島地震を受けて輪島市内の福祉避難所に身を寄せていた被災者が勝山市内の施設に「2次避難」しました。介護や支援が必要な被災者が生きる力を取り戻すため、民間レベルでのサポートが進んでいます。(1月29日)


■福祉避難所での別れの場面
「きょうでお別れ。元気でおるんやぞ。元気出してね。頑張ろう!ありがとう」

避難所から2次避難する水口ユキさん(91)。輪島市内の自宅で夫婦で暮らしていましたが、地震で自宅が倒壊。夫とともに福祉避難所に身を寄せました。

断水が続き衛生環境も悪化する中、夫は1週間ほど前に感染症にかかり帰らぬ人となりました。より良い環境を求めて、同じ避難所の人たちとともに勝山市内の高齢者施設への「2次避難」を決めました。

■自衛隊車両に乗って出発
「気を付けて。お願いします」

長期化する避難所生活。現地で活動する福井県内の医師は高齢者特有の事情に配慮した対応が必要だと指摘します。

■医療法人社団オレンジ・紅谷浩之理事長
「もともと持病や体の不具合を持っている方が多い。体が弱っていくことがどんどん出てきて。それが最近顕著になっている。環境をしっかり整えながら、その人が力を発揮できる状態にもっていくのが広域2次避難の役割ではないかと思っています」

輪島市からおよそ200キロ。水口さんたちは4時間半ほどかけて勝山市内の高齢者施設に無事到着しました。

■自衛隊の保健師が声掛け
「お疲れさまでした。失礼しますね」
「気をつけてね。ありがとうございました」

■2次避難に同行した看護師・菊池郁希さん
「皆さん安心したっておっしゃってたので良かった。 一方で、やっぱりこの先の生活をどうしていくのかという不安も話されているので。環境を整えることで(前向きに)考えられる力、もともと本人が持っている力が引き出されるような環境を整えられるのがいいかなと思っています」

施設で出された温かいご飯に笑顔を見せた水口さん。夫を失った悲しみを乗り越えようとしています。

■輪島市から二次避難した水口ユキさん(91)
「もうそんなに長い人生じゃないからね。どこでもいい。こうして受け入れてくだされば本当にありがたいですよ。天災だったんだから仕方ない。これからもっと前向きに進んでいきます」

地震発生からまもなく1か月。支援が必要な被災者の新たな生活が始まっています。

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