福井産バナナ、初モノ収穫 福井市内の男性が栽培に挑戦 1週間熟成させて直売所で販売 年間1万本の出荷目指す
福井でバナナの栽培に挑戦していた男性が、このほど栽培に成功し、立派な実を付けました。念願の収穫に喜ぶ男性は、福井産バナナのブランド化を目指します。
福井市下馬にある江島尚希さん(62)のハウス。外気温が2.5度と冷え込む中、ハウスの中は巨大な葉が生い茂るジャングルに。そこには正真正銘のバナナが実っていました。
■江島尚希さん
「福井だから採れないのかなと心配はしていました。花が咲いたので、ちょっとうれしくなってどんどん実が出てきて。今から出荷できるので楽しみ」
定年を前に“脱サラ”し、バナナ農園を立ち上げた江島さん。去年10月から150株のバナナの木を栽培しています。育てているのは“幻のバナナ”と言われる「グロスミッシェル」という品種。このほど無事に実をつけ、収穫できるまでになりました。
■リポート 吉岡弘起記者
「いただきます。酸味が少ない。濃密な甘さで、もっちりとした食感です」
ところで、南国ではなく、寒さが厳しい福井でバナナの栽培ができたワケとは。
■江島尚希さん
「成長点というのが茎の中にあって、それを冷凍して解凍してやることで寒さに強い個体になる」
耐寒性を備えた福井産のバナナ。気になる値段は?
■江島尚希さん
「値段は600円で始めたいと思っている。バナナ自体は作業が単純。これで収益が見込めるなら、農業と福祉がくっついた(農福連携)がある。(障がいを持つ人が)仕事できて、収入が得られるような形の一端になれれば」
バナナはこれから1週間ほど熟成させ、福井市内の直売所で販売する予定です。農園では「越前ばなな」としてブランド化を目指していて、年間1万本ほどの出荷を見込んでいます。