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上皇さま「心不全」と診断も…自覚症状なし 私たちも気をつけることは…

2022年7月27日 1:55
上皇さま「心不全」と診断も…自覚症状なし 私たちも気をつけることは…

26日、宮内庁は、上皇さまが心不全と診断されたと発表しました。血液が逆流しないようにする役目がある三尖(さんせん)弁がきちんと閉じなくなっているとのことです。26日現在、上皇さまは胸の痛みもなく、手術や入院の予定はないとのことです。

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■上皇さま「心不全」と診断 どのような問題が?

有働由美子キャスター
「宮内庁は26日、『上皇さまが心不全と診断された』と発表しました。今年4月から体重がやや増加し、先月末の健康診断では胸に水がたまるなど、心不全の所見が認められました。そして、24日の検査で詳しくわかったということです。この間、薬の服用を続けられ改善しつつあるということですが、どのような問題が見つかったということなんでしょうか?」

小野高弘・日本テレビ解説委員 国際部デスク
「心臓には“4つの部屋”があるということを、みなさん習ったことはあると思います」

有働
「はい」

小野
「大事なのは血の流れです。全身から戻ってきた血液は最初、『右心房』と呼ばれるところに入ります。そして下の『右心室』というところに運ばれて、そこから血液は肺へと行きます。肺で酸素を取り込んで、フレッシュになって、『左心房』、『左心室』に戻ってきて、そこからまた全身に向けて送り出される、という流れになっています」

「今回、問題がわかったのが『右心房』と『右心室』の間にある『弁』なんですけど、『三尖(さんせん)弁』といいます。これが、どういう役割をしているかというと、下の部屋である『右心室』から上の部屋の『右心房』に血液が逆流しないようにする役割があるんですけれども、いま、この『弁』閉じにくくなっているんですよね。閉じにくくなっているということはどうなるでしょう? 逆流してしまうかもしれないんですね。実際に一部の血液が逆流をしていて、うっ血、つまり血の流れが悪くなりがちな状況になっているということなんですね。ただ、どういう状況の症状を今、お持ちかというと、上皇さまは胸の痛みもなくて、他の自覚症状もないということです」

■医師団「10年前の心臓手術とは無関係」 手術や入院の予定なし

有働
「上皇さまは10年前に心臓の手術をされていますから、なにか関係があるのかと心配になりましたけれども…」

小野
「医師団もそこは調べていまして、『以前の手術との関係は今のところない』と話しています。心不全といいますと、急性心不全のようなものを心配される方がいるかもしれませんけれど、『全身に血液を送る心臓の働きはしっかり保たれている』とのことなんです。そして、『手術や入院の予定はない』ということです」

■今後の治療は? 悪化すると肝機能にも影響

有働
「今後も治療は続いていくということですね」

小野
「今後のことについて、大阪大学大学院の澤芳樹教授に見解をうかがいましたら、『もし悪化すると、肝臓にも、うっ血がおよんで肝臓の機能にも影響してくる可能性がある。今後も投薬治療で様子を見るのではないでしょうか。ただ、もし症状が悪化して、心臓の弁の問題が続くのであれば、大きくなった弁を手術で縫い縮めるといった外科的な治療も考慮する必要がある』とおっしゃっています」

■心不全 私たちも気をつけることは…

有働
「ご体調が改善されていくのを見守りたいと思いますけれども、心不全といえば、私たちも気をつけられることってあるんでしょうか?」

小野
「澤教授によると、『むくみですとか、息切れ、体重が1日に1キロほどの急激な増加が続くような場合ですと心不全の可能性もあります。その場合は、早く専門医に診てもらってください』ということです」

有働
「落合さんはけっこう体を酷使して仕事をしていますけれども、心臓への負担など気をつけていることは」

落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「そうですね、ぼくは徹夜が多いから人間ドックは年2回くらい受けています」

有働
「2回」

落合
「特に何も引っかかりませんけど」

有働
「いずれにしても、大事な心臓のことですので、気づかっていきたいと思います」

(7月26日放送『news zero』より)