【特集】女性杜氏が中国向けの日本酒を開発し現地で売り込み 四川料理に合う酒とは?
国内での消費低迷が続く日本酒の新たな可能性を広げるべく、「三大酒処」のひとつ広島の酒蔵が、取り組みを始めました。目指したのは、巨大市場・中国です。
中国・四川省成都の国際空港に降り立ったのは、広島県東広島市の老舗酒蔵「今田酒造本店」を率いる今田美穂さんです。
■今田酒造本店杜氏・社長 今田美穂さん
「ディープな中国に来たなぁと思って。広いのにも関わらず、人がうじゃうじゃしているっていう。ちょっとスケール感がついていけてない感じがある。」
1年の歳月をかけて取り組んだのは、中華料理に合う日本酒づくりです。それは、前代未聞の挑戦。自らの目でその成果を確かめます。
■今田酒造本店杜氏・社長 今田美穂さん
「懐に飛び込むって言う感じですね。胸をお借りして。」
中国に向けた日本酒「と」
中国の内陸部に位置し、広島県と友好提携を結ぶ四川省。省都・成都は、人口およそ1200万人の巨大都市です。中国向けに醸造した純米酒、その名も「と」。辛さが特長の中華料理に向き合って出した答えは「酸味」。日本酒には珍しいその味わいを作り出すため、麹づくりから徹底的にこだわりました。在上海日本国総領事館に勤める酒の専門家・宮本宗周さんらと試行錯誤の末に、開発にこぎ着けました。
商談会での中国人の反応は…?
向かったのは、広島産の日本酒商談会。広島県が主催しています。商談会には、今田酒造を含む広島県内8つの蔵が商品を出品。地元・四川省の飲食店や取引業者、46社が訪れました。
■今田酒造本店杜氏・社長 今田美穂さん
「広島の酒がいっぱい来てるじゃないですか」
早速、会場に届いた日本酒の状態を確かめます。
■今田酒造本店杜氏・社長 今田美穂さん
「何人の手がかかってここまで来てるかっていうのを思うと、ほんと大事な1本。」
上海から、宮本さんも駆けつけました。
■在上海日本国総領事館経済部 領事 宮本宗周さん
「このラベル、この味が四川までやって来たこと。本当に感慨深いですね。」