北アルプス水晶岳を目指す 温泉を楽しめる高天原山荘へ
登山道の維持や管理をテーマにお伝えしているシリーズ「山と人をつなぐ」です。北アルプスの水晶岳を目指しながら登山道について考え、山の魅力をお伝えしています。
2回目は、薬師沢小屋を出発し、温泉を楽しめる高天原山荘を目指します。
黒部川と薬師沢の合流地点にある秘境の宿。2日目は、大東新道から高天原を目指します。
大東新道は、途中まで黒部川沿いに進む登山道。AからEまで5つの沢越えが特徴です。増水すると通行できなくなります。
数家キャスター「ツルツル(滑る)、巻いた方がいいかも」
雨にぬれた岩は滑りやすく、緊張を強いられます。A沢を越えて、B沢に辿り着くまでが難所でした。
ここから先は、ヘルメットに装着したカメラでの撮影です。この登山道は管理者が不在。それでも所々に鎖やハシゴがかけてあるほか、赤い丸などの目印が案内してくれます。
数家「赤い丸があると分かりやすい」
ところが、途中でこの目印を見失います。私の登山歴はおよそ10年、大東新道もこれまで2回、通っていますが、こうした事態は初めてでした。
数家「でも、ここを案内されてたよね。そこに矢印あるものね、矢印だよね。この先がないよなあ、でも下から行けんよね」
村井カメラマン「ちょっと入りますね、川」数家「やっぱり」
河原沿いの道を選べば、ひざ上まで川の中に足を入れなければなりません。
数家「上から行こうか?」
川を回避して、高く巻いていく方法を選択しました。
数家「まあ落ちても死なない。結構やばいところだ」下に河原が見えて、あと少しの所で。「あぶねー」
カメラマンと2人とも何とか通り抜けることができました。
数家「小屋が見えてきました。高天原山荘です」
ここでの楽しみは、何と言っても温泉です。
数家「とっても気持ちいいです。お湯の温度もちょうどいい感じですね」
日本一、行きにくい場所にあると言われる高天原温泉。
数家「少し濁りがあって白い湯の花も浮かんでいます。それと、もう一つは、やはりこの景色ですよ。森に囲まれて川のせせらぎも聞こえて、まさに極楽です」
この山荘は、電気のないランプの宿。暖かいご飯とみそ汁が体に染み入ります。
次回は水晶岳を目指す3日目、いよいよ山頂にアタックします。雲上の別天地、雲ノ平のドローン映像は光と影の神秘のハーモニーです。