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富山の配置薬にも 解熱鎮痛薬「ケロリン」誕生100年 記念本を出版

2025年3月26日 10:58
富山の配置薬にも 解熱鎮痛薬「ケロリン」誕生100年 記念本を出版

CMソングを懐かしい!と思う人も多いのではないでしょうか。

解熱鎮痛薬「ケロリン」です。

この薬が富山で生まれて今年で100年、記念の本がきょう、全国で発売されました。

100年続くブランドの魅力とは。

黄色い桶に赤いケロリンの文字。

昭和の時代、近所の銭湯には必ずと言っていいほど、これがありました。

文藝春秋から出版された「ケロリン百年物語」。

ケロリンにまつわる様々なエピソードを掲載

この本を監修したのは、現在ケロリンを販売している富山めぐみ製薬の笹山敬輔さん。

ケロリンを開発した内外薬品の社長でもあります。

「いろんな会社さんが100周年という社史を出すことがあると思うんですが、ケロリンは桶も含めていろんな方にご愛顧いただいているので、せっかくだったらいろんな人に手に取ってもらえる本を作りたいなということで」

実は、演劇研究者として芸能史にまつわる本も出版している笹山さん。

今回は会社の歴史に加え、ケロリンや銭湯にまつわるエピソードも掲載しています。

対談の相手は、萩本欽一さんや堺正章さんなど様々な著名人。

笹山さん「小さい頃に富山の薬売りが萩本さんの家に薬箱を置いていたそうで、萩本さんのお母さんから『何かあったらケロリンを飲んでおきなさい』と言われたという思い出を語っていただいて」

大正時代に誕生 銭湯を通して全国へ

富山の置き薬として親しまれている「ケロリン」は、今から100年前の大正時代に誕生しました。

フランスから輸入したアスピリンに和漢薬で使われる桂皮を配合した解熱鎮痛薬です。

看板広告も出しましたが、その名を一気に広めたのは、このプラスチック製の風呂桶。

最初の東京オリンピックの前年、1963年に業務用の桶にケロリンの名を載せて広告の分、安く販売したところ、木の桶よりも丈夫で扱いやすいと全国の銭湯に広まりました。

この桶、関西版は関東版より少し小さめなのは知っていますか?

湯船から片手でお湯をくんで、体を洗い流す関西の銭湯文化に合わせているからだとか。

数々のコラボ商品も

また、10年余り前からはアニメキャラクターなどとコラボした桶も次々と誕生。

今月、東京のイベント会場ではケロリン100周年を記念したブースが若者たちの人気を集めました。

さらにはポケモンがデザインされた新作もあすから販売されるなど、ケロリン人気の勢いはとどまるところを知りません。

次の100年を見据え

かつては多くの家庭に置かれていた富山のくすり。

しかし時代の変化とともに、配置薬業は縮小傾向となっています。

こうした中、内外薬品は2018年に廣貫堂と大協薬品工業との3社で、新会社「富山めぐみ製薬」を設立。

ケロリンはこの会社で、今も変わらず製造販売されています。

笹山さん「ケロリンが何とかここまで残れたのも、しっかりとした品質を守って我々の先人が培ってきたおかげで引き継げているわけで、それは我々も次の世代へ渡せるようにケロリンがまた次の100年を迎えられるように、しっかりと続けていくという事も、とても 大切なことだと思っています」

富山のくすりとして100年。PRグッズも様々なバリエーションを生みながらケロリンの歴史はこれからも続きます。

最終更新日:2025年3月26日 10:58
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