多くの特攻隊員が出撃した知覧特攻基地で3日、70回目の戦没者慰霊祭が行われました。終戦から79年。当時を知る人も少なくなる中、遺族たちが平和への祈りを捧げました。

　慰霊祭には全国から集まった遺族など約630人が参列しました。太平洋戦争末期の沖縄戦で亡くなった旧陸軍の特攻隊員は、1036人に上り、このうち439人が知覧から出撃しました。

　21歳だった兄を特攻で亡くした桂 撤男さんが慰霊の言葉を述べました。

（21歳の兄を特攻で亡くす　桂 撤男さん）
「戦後79年。残された家族や関係者も高齢化している/尊い犠牲があったことを忘れることなく今後も引き続き御霊らの慰霊祭を行うとともに命の尊さを語り継いでいくことをお誓いします」

　会場には特攻隊員の身の回りの世話を担う「なでしこ隊」の一員だった女性の姿もありました。

（なでしこ隊に動員）
「胸がいっぱい。詰まる。胸が苦しくなるような。今の若い人たちが私たちみたいな経験をしないようにしていただきたい」

　参列者は花を手向けながら平和への思いを新たにしていました。