閉会中審査でも本部長は隠ぺい否定 捜査2日間中止…署内から「隠ぺい?」声も
県警の相次ぐ不祥事を巡り県議会は閉会中に委員会を開き、事件への対応など説明を求めました。県警の野川本部長は改めて逮捕起訴された前の生活安全部長が指摘する事件の隠ぺいについて否定しました。
(県警本部野川明輝本部長)
「県民に多大な不安を与えたことに関して県警察の責任者として改めて深くお詫び申し上げます」
県議会は19日、閉会中に総務警察委員会を開き県警の相次ぐ不祥事について、集中的に調査しました。
県警側は、野川本部長をはじめ西畑警務部長など幹部が出席。
警察の内部情報を漏らした前の生活安全部長が公判で野川明輝本部長を名指しして「犯罪行為を隠蔽しようとした」などと主張していますが、19日も本部長は改めて隠ぺいを否定しました。しかし、委員からは隠ぺいを否定した野川本部長に厳しい意見が出されました。
(委員)
「全く疑念を払しょくすることはできておりません」
枕崎署の警察官が盗撮の罪で逮捕・起訴された事件について前の生活安全部長は法廷で野川本部長が「最後のチャンスをやろう」「泳がせよう」と言って捜査指揮簿に判を押さなかったと述べています。
一方で県警は、捜査の指示が間違った認識で伝わり捜査が2日間中止されたことを明らかにしています。
(西畑知明警務部長)
「当時署長から 指示を受けた署員の中には『本当に捜査を中止して大丈夫なの か』『隠ぺいではないか』という声が上がる」
署内から「捜査を中止して、隠ぺいにならないのか」との意見があがったことを明らかにしました。
さらに、本部長らが刑事告発されたことについて委員からは。
(委員)
「鹿児島地検に犯人隠避などの告発があった。本部長が告発されるというのは前代未聞であるが事実関係について伺いたい」
(野川明輝本部長)
「鹿児島地検に対して私の犯人隠避罪等に関する告発がなされていて鹿児島地検から私自身取り調べを受けた。本部長である私が告発を受けるなど県民の皆様に多大な疑念を生じさせたことについては大変申し訳なく思っている」
19日の委員会では、霧島署の警察官(50代)がクリーニング店の女性につきまとうなどのストーカー行為を行い、2023年2月に女性側から被害の相談があったことも明らかになりました。
警察官はその後書類送検されましたが、不起訴処分となり、県警は口頭で厳重注意をしたということです。
県警の一連の不祥事を巡って県議会では、強い調査権を持つ「百条委員会」の設置の検討が行われていて、19日の委員会の調査も踏まえ、協議が行われます。