20年ぶりの新紙幣の発行まであと1か月を切りました。県内でも新紙幣に対応するための作業が進められていますが、物価高に苦しむ飲食店からは新たな“負担”に悩む声も聞かれました。

　1万円札が渋沢 栄一、5千円札が津田 梅子、そして千円札が北里 柴三郎。
「3Dホログラム」をはじめ偽造を防ぐ最先端の技術が使われた新しい紙幣が来月3日から発行されます。

（山下香織アナウンサー）
「新紙幣の発行まであと1か月ですが、こちらの駐車場の精算機、対応が間に合わないということでしょうか、既に“新紙幣は使用できません”とシールが貼られていますね」

　街じゅうで目にする精算機や自動販売機…各業界、新紙幣への対応に追われています。鹿児島市によると市電やバスの運賃箱は新紙幣に対応済みで、窓口の機械も今月中旬までに更新を終えるといいます。

　銭湯でも券売機の更新が進んでいます。郡元温泉では1年以上も前に新紙幣対応のものに交換したそう。

（郡元温泉　小平田 チヱ子オーナー）
「新券に変わってからだと順番で遅くなるでしょう。だから早め早めがいいと思って。安心できて、早く新しいお金を見たい」

　一方で、自動販売機は3年前から発行されている500円硬貨も未だ使えず、新紙幣への対応もいつになるか分かりません。

（郡元温泉　小平田 チヱ子オーナー）
「業者さんもたくさん持ってるから、1台だけじゃないし外にもあるし、（対応は）遅くなると思う」

　県内のある自販機の管理会社からはこんな声も…

「部品の供給が追い付かず、7月までに対応が間に合わない」

　新たな“負担”に悩む声も。券売機を利用しているラーメン店では。

（煮干し百式 葉琉　田口 韋成さん）
「券売機は後回しというか更新しないかもしれない」

　原材料の高騰が続くなか味や品質の維持が優先だと話します。

（煮干し百式 葉琉　田口 韋成さん）
「鶏にしても小麦にしても煮干しにしてもめちゃくちゃ値段が上がっている。（券売機の）更新が大体10～15万位かかる予定なのでそれにお金を出して利便性を選ぶよりはまずはしっかり作るのが先かな」

　今後、新紙幣しか持たない客にはスタッフが対応する予定ですが…

（煮干し百式 葉琉　田口 韋成さん）
「うち新500円玉も使えないんですけど、500円使えないだけでもスタッフの時間も取られるしいろんな問題が起きるので大変」

　全国でみると、新紙幣発行に間に合うコインパーキングは全体の半数程度で、飲料などの自販機も対応が追いつかない可能性があるということです。