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専門家に聞く『長周期地震動』の特徴、地震発生はミャンマーなのに…タイでビル倒壊

2025年4月2日 10:15
専門家に聞く『長周期地震動』の特徴、地震発生はミャンマーなのに…タイでビル倒壊

ミャンマーの大地震では、震源から約1000キロ離れたタイ・バンコクでも長周期地震動が原因とされる被害が発生しました。

その特徴について、専門家に話をききました。

死者が2700人を超えたミャンマーでの大地震では、震源から約1000キロ離れたタイ・バンコクで建設中のビルが倒壊するなどの被害が出ました。

原因として指摘されるのが、長周期地震動です。
長周期地震動は、高層ビルなどを大きくゆっくりと揺らす地震波の周期が5秒以上の揺れで、遠く離れた場所まで伝わるのが特徴です。

耐震工学が専門の東北大学・五十子幸樹教授に話をききました。

五十子教授
「地震動というのは、震源の断層があってそこから発生するが、ここから発生した時は地震動というのは色々な周期の成分をもっている。それが深い地盤を伝わっていくときに、速く激しい揺れというのは早く減衰してしまうが、ゆっくりとした揺れは非常に遠くまで届く」

長周期地震動は、東日本大震災でも観測され、東京や大阪のビルでも被害が出ています。

五十子教授
「東日本大震災の時、震源から700~800キロはなれていますけども、ちょうどその周期が長周期地震動の周期に近かった大阪府庁舎がはいっていたビルが非常に大きく揺れた。昔から地震が起こるたびに長周期地震動は発生していて、 被害が出るようになったのは、超高層ビルがたくさん建つようになってきたから、長周期地震動の影響を受けるものがたくさん世の中に出てきたから、被害が表に出てくるようになった」

五十子教授は、日本の耐震基準では長周期地震動により建物が倒壊する恐れはないとしながらも、地震対策の重要性を訴えます。

五十子教授
「エレベーターやインフラ関係が止まってしまったりなど、特に高層のタワーマンションに住んでいる場合はエレベーターが止まると大変なので、普段から一般的な地震対策・備えをやっておくことが大事。水や食料をストックしておく、家具の固定とか、今回を教訓にあらためて点検して欲しい」

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