能登半島地震1年 いまも広がる液状化被害「でもやっぱりここがいい」生活再建目指す住民の葛藤《新潟》
能登半島から1年。液状化の影響などにより新潟市は1万7000棟以上の住宅が被害を受けました。西区では現在も液状化の被害が広がっている地域もあり、住民たちは葛藤を抱えながら生活の再建を目指しています。
いつもなら、我が家で穏やかに過ごしていた年末年始。
しかし・・・
〈松田正彦さん〉
「いい家だったんですけど。そこに住めないというのは精神的になんでなんだって思うぐらいになりますね」
新潟市西区に住む松田正彦さんです。
いま暮らしているのは空き家となっていた実家・・・
1年前の地震が生活を大きく変えました。
今も止まらない地震の被害「でもやっぱりここがいい」
松田さんの自宅は寺尾地区の高台にあります。
15年ほど前に建て替えた際に地盤を強化していたため、家屋の被害はほとんどありませんでしたが、地震の揺れにより駐車場が隆起・・・
庭は大きく沈みました。
そして、今も亀裂や陥没などの被害が広がっているといいます。
〈松田正彦さん〉
「家内は本当に目の前で地盤の揺れているのを見たので、亀裂をみんな見ちゃって。ショックで『もうここに住みたくない』って最初はそう言ったんですけど。『でもやっぱりここがいい』って。『できたら早くここに戻ってきたい』って言ってる」
地震被害の約500世帯「現在も変化が続いている」工事着手は2-3年後
市民団体が西区の約7700世帯を対象に独自のアンケートを行ったところ、約500世帯は去年8月時点で「現在も変化が続いている」と回答しました。
新潟市は液状化対策を検討しようと、被害の大きかった地区で地盤の調査を始めていますが、対策工事の着手までには早くても2年から3年はかかるとしています。
“修理を踏み切れない”住民が募らすもどかしさ
松田さんの自宅がある寺尾地区は地域一体で地盤を直す必要性が指摘されていす。
このため松田さんは、対策工事がどうなるのか分かるまで修理を踏み切れずにいます。
今後地盤がさらに動き、被害が自宅まで及ぶのではないか・・・
そう心配しています。
〈松田正彦さん〉
「行政の力を借りて、エリアでみなさん協力してもらって、地盤を固めるような処置をしてもらうのが一番ベスト。ここへとにかく戻ってきて、子どもたちとか孫がここで一緒に遊べるような形でつくりたいと思うのが今の気持ちです」
能登半島地震から1年。
思い出を刻んできた我が家に、いつ戻ってこられるのか。
もどかしさを募らせています。