パトカー到着時はすでに水深85センチ 上流5か所で決壊や越水 新庄市で警察官流された事故
ことし7月の記録的大雨で新庄警察署に勤務する警察官2人がパトカーごと流され死亡しました。山形大学のその後の分析で、当時、事故現場付近は周辺の河川の堤防が決壊するなどし、水深は最大で85センチに達していたことが新たに分かりました。
この事故はことし7月25日深夜、記録的な大雨による救助要請を受けてパトカーで現場に向かった警察官2人が新庄市本合海で氾濫した川の濁流に流され、死亡したものです。
山形大学理学部や地域教育文化学部などの研究者でつくる災害環境科学研究ユニットは発災直後から現地調査などを続けていて、5日、山大の定例会見でこれまでの分析結果を発表しました。
それによりますと、現場近くを流れる新田川はパトカーが現場に到着するおよそ30分前、午後11時ごろまでに、上流部にある堤防の5か所で決壊や越水が発生したといいます。
山形大学理学部 本山功教授「決壊箇所から扇状に勢いよく水が流れ出て道路に流れてきた」
現場の道路に濁流が流れ込み、パトカーが到着した午後11時33分には水深が最大で85センチに達していたことが新たに分かりました。また、この時間帯に最も多く川の水が流れ込んだことも判明しました。現場周辺は翌26日の午前1時ごろまで水位の高い状態が続いたということです。
研究ユニットでは住民の女性1人が流され死亡した、酒田市北青沢地区の土砂災害についても調査していて、12月25日と26日に山形大鶴岡キャンパスで開かれる学会で調査結果を発表する予定です。