事件・災害現場を撮影し警察内に状況を伝える山形県の警察職員がアナウンサーから「伝え方」学ぶ
事件や災害の現場で映像を撮影し、警察内に状況を伝える職務を担っている警察庁・県情報通信部の職員らが「伝え方」を学ぶ研修会が16日、開かれました。テレビ局のアナウンサーが講師を務め、理解しやすい「伝え方」をアドバイスしました。
この研修会は、災害や事故現場で現場の状況を撮影しながら警察本部に報告する際、聞いた相手が正確に状況を把握できるよう「伝え方」を磨こうと、警察庁・県情報通信部の警察職員らを対象に開かれました。
講師は山形放送の陣内倫洋アナウンサーです。
はじめに、ことし7月の大雨の際に酒田市で撮影された画像を使い、災害現場で何を伝えたらよいのか説明しました。
陣内アナ「まず何を話していいか分からない、 言葉が出ないという時は見えているものを言葉にします。橋の向こうに住宅が見えています。周りは森林に覆われています。 これだけで立派なリポートになります」
その上で「映像では見えないものを伝えることも重要」とポイントを紹介しました。
陣内アナ「先ほどの映像で見えたものが 五感のうち視覚だとすると、 映像で見えないものは嗅覚、聴覚、触覚。においでいうと土砂が橋の上まで流れ込んでいるので泥臭いにおいがする」
また、話す一文一文を短くすることで聞いている人に理解してもらいやすく話している自分自身も伝えることを整理できるとアドバイスました。その後、映像を見ながら実際に参加者がアナウンスを行い、陣内アナが講評しました。
参加者「きのうの雨の被害から川が濁っているのが分かります。足元もかなり泥でぬかるんでいます。川の状況を映します。かなり泥で濁っているのがわかります」
陣内アナ「状況に応じて映っているものを話して短く言葉を区切ります。すぐ現場に出て通用しそうな説明でした」
県情報通信部 舟生優菜さん「陣内アナに指導してもらったあとだったのでとても話しやすかった。現場で五感で感じたことを大事にして泥のにおいなど現場のリアルを伝えたい」
県情報通信部 坂本拓也さん「ありのままというよりかしこまった言葉で今までは伝えていた部分があったが、見たままを素直に簡単なことから始めて徐々に肉付けしていくアナウンスの仕方が非常に参考になった」
陣内アナウンサーはまた、アナウンス力の向上はスポーツの練習と同じで繰り返すことが大切だとアドバイスしていました。