「縫い家具」や「瀧山」の日本画 東北芸工大の卒業制作展 独創性あふれる作品展示
山形市の東北芸術工科大学の卒業制作展が7日から始まるのを前に6日、関係者向けの内覧会が開かれました。アイデアや工夫を凝らした学生たちの独創性あふれる作品の数々を紹介します。
ことしで28回目を迎える東北芸術工科大学の卒業制作展。会場には今年度卒業する569人の学生たちの個性あふれる作品が並びます。
山川麻衣子アナウンサー「こちらはプロダクトデザイン学科という普段の生活を豊かにするための物を勉強している学生の作品です。どんなものがあるんでしょうか」
会場にはレザー加工を施した小物入れやバッグ、楽器としても使える椅子など暮らしの中で使うものを独創的に作り上げた作品が並びます。
「縫い家具」という作品です。接着剤や釘を使わずに木材を糸で縫い合わせて作った椅子です。実際に座ってみることができるということで私も座り心地を体験してみました。
山川アナ「不思議!木なのに身体にフィットしますね」
嶋村和夏さん「木材が真っすぐだと伸びたり曲がったりしないが糸で縫い合わせて切れ目があったりするのでそれでいい感じに身体にフィットするような座面、背もたれになる」
家具について専攻して学んできた嶋村さんは、堅い木材も穴を開ければ縫い合わせて家具を作れるのではとのアイデアから制作を始めました。この椅子は1脚当たり1000個以上の穴を開けているということです。
嶋村和夏さん「糸を自由に選んで塗装もできるので作る人によって個性が出る家具。いろんな人に作ってもらいたい」
山川麻衣子アナ「こちらは日本画のコーナーですが日本画と言っても大小さまざま。色使いも作品によって違いますね。個性豊かな作品が並んでいます」
干してある洗濯物といった日常の一コマや植物、動物などをモチーフにした日本画が展示されています。中でも存在感を放っていたのは横およそ9メートル、高さ3メートルの作品で山形市のみはらしの丘から臨む瀧山の姿が描かれています。
荻荘天馬さん「いろんな山を見てきたが、山形の山はすごく形が特徴的で、かっこよくてどうにかこういう形を自分の手で描いて残すことが出来ないかなという感覚になったのが描く原動力だった」
制作した宮城県出身の荻荘さんは、初めて瀧山を見た時に大地の偉大さを感じたと言います。
荻荘天馬さん「自分が描きたかったものって時間が積み重なって厚みになったものを描きたかった。夜だったり後ろから光が入っていたりは絵だからこそできることかなと思って描いた」
会場には、学生たちの4年間の学びの成果を形にした力作の数々が展示されていて、実際に触れたり、体験したりすることができる作品もあります。東北芸術工科大学の卒業制作展は、7日から12日まで開かれています。