米沢市の栗子山の風力発電事業 環境への影響や対策に対する審査会 「十分な意見交換を」
米沢市の栗子山で計画されている風力発電事業を巡り、事業を行う企業が提出した環境への影響や対策に対する審査会が10日、山形市で開かれました。会の有識者メンバーからは市民との意見交換を十分に行うよう求める意見が出されました。
米沢市の栗子山では現在、東京のJR東日本エネルギー開発が、風力発電事業を計画していて、最大で10基の風力発電機を設置し、2028年度の稼働を目指しています。
一方で、地元住民らで組織する市民団体は周辺に生息する国の天然記念物のイヌワシが風車に衝突する恐れや近隣住民への健康被害などを理由に、計画への反対を訴えています。
10日は、企業側が環境への影響や対策についてまとめた環境影響評価準備書の審査会が開かれました。会の有識者メンバーは鳥や動物への影響に対し、より踏み込んだ対策が必要、住民と十分な意見交換をすべきーなどと指摘しました。出席した企業の担当者は、対策については、指摘を踏まえて検討したい、広く米沢市民を対象とした説明会を開催したいーなどと応じました。
傍聴した近隣住民「みんなが考えている心配がどうなのかが今回の審査会では十分クリアになっていない。懸念は懸念と言い続ける」
県環境影響評価審査会 横山潤会長「希少な生物が多い地域でもあるので、それに対する保全対策をしっかりやってくださいということが基本。地元の方と事業者が同じ方向を向いて進んでいけるようにお互いの意見をしっかりとすり合わせて開発を行うなら行うし、計画を中断するなら中断するということを決めていくことが大事」
県は審査会を踏まえ、事業の認可を行う経済産業省に対し、8月下旬をめどに吉村知事の意見を提出する予定です。また、JR東日本エネルギー開発は8月4日と5日に米沢市で住民説明会を開く予定です。