女子大学生が殺害された事件の裁判で、検察は21日、交際相手の男に懲役22年を求刑しました。

　渡辺さんの父親
　「どんなに痛かったか、怖かったか。娘の今までの努力、楽しい人生を奪い、被告を絶対に許さない」

　この日、殺害された女子大学生の父親は、法廷で悲痛な胸の内を被告にぶつけました。

　西光勝被告（27）は昨年5月、大阪府枚方市で当時、交際していた大学2年生の渡辺華蓮さん（当時19）を背後から包丁で刺して殺害した罪などに問われています。

　渡辺さんの首や腹などに残されていた刺し傷や切り傷は62か所。逮捕直後、西光被告は、渡辺さんの同意があったうえで殺害したと説明していましたが…

　西光勝 被告
　「華蓮さんが違う男性と幸せになるくらいなら、すべて終わらせたいと思った。無職であることや、借金があることがバレたくなかった」

　自らの身勝手な思いで殺害したと認めました。

　2人は昨年3月から交際。西光被告は無職でしたが、大企業に勤務し、高収入だと渡辺さんにウソをついていたということです。2人で同居するためにタワーマンションの内覧に行くなど金持ちの彼氏像を演じ続けていた一方で…

　西光被告が知人男性に事件の2か月前に送ったメッセージ
　「200万円必要で助けてください」

　借金は膨れ上がり、事件前には家族や周囲に様々なウソをつき、金を無心するようになっていました。

　裁判では事件後、西光被告が渡辺さんのパソコンを売却し、その金で性風俗サービスを利用。渡辺さんの電子マネーを使って酒を飲んでいたことも明らかにされました。この日の裁判で検察は…

　検察官
　「計画的で残忍な犯行。自分の見栄やプライドを優先して動機は極めて身勝手。懲役22年を求刑する」

　一方、弁護側は自首が成立するとして刑の減軽を求めました。

　最後に「どんな刑でも一切控訴せず、一生かけて償っていきます」と述べた西光被告。

　判決は、来週金曜日（28日）に言い渡されます。