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【特集】パートナー求めて二人三脚!入会費は約25万円、それでも婚活中の若者が続々集う『結婚相談所』 鏡が大好きなカウンセラーは、通算700人を結婚に導いた敏腕仲人!会員の幸せは自分の幸せ…“人生の岐路”に寄り添う彼女たちの素顔に密着

2024年5月5日 11:00
【特集】パートナー求めて二人三脚!入会費は約25万円、それでも婚活中の若者が続々集う『結婚相談所』 鏡が大好きなカウンセラーは、通算700人を結婚に導いた敏腕仲人!会員の幸せは自分の幸せ…“人生の岐路”に寄り添う彼女たちの素顔に密着
今『結婚相談所』が婚活中の若者に人気

 “結婚離れ”が叫ばれる中、コロナ禍の自粛生活を経て、「家庭を持ちたい」と『結婚相談所』の入会者が急増しています。その“駆け込み寺”で結婚したい男女をサポートするのは、カウンセラーという名の仲人たち。十人十色の恋の悩みに、いつも親身に、時には辛辣にアドバイス。敏腕仲人と迷える相談者たちの二人三脚を追いました。

「“絶対”を求めてしまうと、正直ずーっと結婚できない」悩める相談者に愛の鞭⁉年間1万2500組を婚約に導いた結婚相談所で、敏腕仲人と“ゴール”まで共に歩む

 京都駅前に店を構える『IBJメンバーズ』京都店。約9万人の会員が登録していて、2023年は業界最多となる1万2500組のカップルを婚約に導きました。

 入社14年目のカウンセラー・畑さんは、京都店のまとめ役。通算700人の男女を婚約に導いた、敏腕仲人です。

 身だしなみに気を遣う仕事だからか、作業中も頻繁にデスク上の鏡をチェックする畑さん。

Q.そんなに鏡が気になりますか?
(IBJメンバーズ京都店 チーム長・畑さん)
「スタッフに『誰も見てへん』ってよく言われるんですよ。癖、癖!すみません、そういうキャラで(笑)」

 そんな畑さんが担当する“迷える相談者”は約60人。今日も助けを求めてやって来ます。

 この日やって来たのは、意中の人とのお見合いを終え、その足で来たという男性(27)。黒と白のチェック柄シャツで、カジュアルな出で立ちですが…。

(畑さん)
「着替えてきたの?」
(男性・27歳)
「着替えてきてないです」
(畑さん)
「え⁉今日、お見合いやったっけ?この服で行った?」
(男性・27歳)
「はい」
(畑さん)
「お見合いはスーツだよぉ!」
(男性・27歳)
「……ごめんなさい(笑)」

 いきなり怒られちゃいました。

(畑さん)
「今日のお見合い、どうでした?」
(男性・27歳)
「すごく聞き上手で、相槌も一つ一つ丁寧にしてくれるし。あちらから、『年齢、5つか6つ離れているけど…』と言われて」
(畑さん)
「本当だ、おねえさんだ」
(男性・27歳)
「『大丈夫なの?』と聞いてくれはって」
(畑さん)
「何て言うたんですか?」
(男性・27歳)
「『僕は、年上のほうが大好きです』って(笑)」
(畑さん)
「うふふ(笑)『大好きです』って言ったん?かわいい~」

 畑さんについて、会員の男性は…。

(男性・27歳)
「『そうなの~』と一つ一つ言葉に共感してくれたり、一緒に喜んでくれるので、『畑さんのためにも頑張ろう』とすごく思います」

 畑さん自身は…。

(畑さん)
「会員様の隠れている能力を引き出すのが得意というか、本能に働きかけるのが得意です(笑)」

 入社8年目の菊田さんは、若手のエース。冷静で的確なアドバイスが持ち味で、相談者から信頼を集めています。

(IBJメンバーズ京都店 カウンセラー・菊田さん)
「化粧のお直しはしますね。『コイツに言われたくない』と思われたくないので(笑)」

 この日、相談に訪れたのは、交際中の彼女との将来に悩んでいる男性(29)。

(男性・29歳)
「彼女として一緒にいる分には、すごく楽しいんです。ただ、結婚相手として見た時に、正直、申し訳ないですけど、あまりピンと来ないというか、この人で本当に大丈夫なのかと、交際を続けるのか悩んでしまった。菊田さんに何かアドバイスを聞けたらなと」
(菊田さん)
「結婚したことないのに、なんでピンと来るの?」
(男性・29歳)
「なんでですかね…」
(菊田さん)
「“絶対”を求めてしまうと逆に、お相手にも自分にもプレッシャーがかかって…正直ずーっと結婚できない(笑)」
(男性・29歳)
「完璧をずっと求めちゃう、と?あぁ~」
(菊田さん)
「スッキリしました?」
(男性・29歳)
「ちょっとスッキリしました」
(菊田さん)
「あははは、良かった(笑)」

Q.相談者の性格を見極めて、接し方も変えているんですか?
(菊田さん)
「めちゃくちゃ変えていますね。コミュニケーションを取りながら、こっちのタイプかな、こっちのタイプかなというのは、結構変えながらやっています。先ほどの会員さんは、自分で喋っていて混乱していってしまうタイプの方なので、一個一個一緒に整理してあげながら話を組み立てていったほうが、お互いに楽かなと思って」

「マッチングアプリもしてるけど、本気度が違う人もいる」入会費・約25万円、月会費・約1万7000円、成果報酬・22万円…高額でも『結婚相談所』を選ぶ若者たちの本音

 結婚相談所に入会すると、まずは「パートナー探し」から。異性のプロフィールを見て、気になる相手に『お見合い』を申し込みます。会員にはそれぞれ仲人がついていて、日程調整を代行してくれます。

 『お見合い』を経て、互いに「また会いたい」と思ったら『仮交際』に進み、デートで仲を深めます。“友達以上恋人未満”の関係なので、複数の異性と同時進行も可能。仲人は、デート内容や本音を聞き出し、仲人同士で共有しながら交際をサポートします。最終的に一人に絞り込み、『真剣交際』へ。プロポーズが成功し婚約すれば、晴れて『退会』です。

 今日がお見合いデビューだという女性(28)が、相手との待ち合わせ前に、アドバイスを受けに来ました。

(畑さん)
「例えば、男性って『バイクが好き』とか『将棋が好き』とか、あまり女子が興味ないことも好き、みたいなこともあると思うんです。そこを興味関心持って、拾える女子が強いかな。その辺できそう?」
(女性・28歳)
「できるかな(笑)」

 真剣交際中の彼と結婚秒読み段階の女性(34)には…。

(畑さん)
「何か理想のプロポーズとかあれば、せっかくの機会なんで」
(女性・34歳)
「あー…ベタなのが、やっぱり良いかもしれないです」
(畑さん)
「回りくどい言葉よりも、ストレートのド直球のほうが良くないですか?」
(女性・34歳)
「その通りです!それが良いです」
(畑さん)
「それが良いですよね。そうしてもらいましょう!ね!」

 面談終了後はすぐさま、交際相手の仲人に連絡。メールの内容を覗いてみると…。

【念の為、シチュエーションの希望を確認したところ、「結婚してください」と直球な言葉を言っていただけることが理想のようです】(一部抜粋)

 裏での連携が、婚約へと導くカギなのです。

(畑さん)
「お互い、ちゃんと気持ちは固まっていても、間に入って伝えてあげる。そのことによって、更なる確信を感じてもらえたらなと。『大丈夫だよ』って。あとは一緒に喜ぶだけ、えへへ(笑)」

 相談所の入会費は、約25万円。月会費も発生し、婚約後の退会時には成果報酬も支払う仕組みです。決して手頃な額ではありませんが、最近は若い会員が急増していて、20代の入会者は5年前の2019年より2倍近く増えています。

(女性・28歳)
「今流行りのマッチングアプリもしているんですけど、中には本気度が違う人もいるから、『結婚相談所』のほうがお互い同じ思いでしているし、良いなと思って」

 明治安田生命の調査によると、今や4人に1人がマッチングアプリを利用して結婚しています。ただ、気軽に使えても、理想の相手になかなか辿り着けないことも…。効率や手厚いサポートを求めて、相談所に乗り換える人も多いのです。

(男性・30歳)
「相談所なら最短で3~4か月で結婚とか、うまくいっている人の平均が半年ぐらいだったんで、スピード面も含めて選びました」

“仲人”という仕事は「ズバリ天職です!」 相手の幸せは、自分の幸せ…

 週末になると、より活気づく相談所。

(畑さん)
「おはようございます。今日のお客様の予定なんですが、10時半から18時までギッシリ埋まっ
ています。ご案内もハードな感じになると思うので、お客様にご迷惑をかけないように回してもらえたらと思います」

 面談に加えて、メールや電話での相談が、ひっきりなしにやって来ます。わずかなスキマ時間が、貴重なランチタイム。

(菊田さん)
「全然、味わってないです。物を突っ込んでいるだけ(笑)」

 忙しい一日を乗り切るために、畑さん流のルーティンがあるそうで…。

(畑さん)
「朝は、何かテンションが上がる曲を聴きながら、出勤します」

Q.どんな曲を聴いているんですか?
(畑さん)
「松田聖子ちゃんの『未来の花嫁』とか。プロポーズはまっだっなっの、いつまで待ったせっるっの~♪って。あはは、すみません(笑)」

 本命の彼との仲を深めたいものの、一歩が踏み出せない女性(29)が、菊田さんのもとを訪れました。将来を見据えているからこそ、彼に持病のことを素直に打ち明けましたが、反応がどうしても気になるといいます。

(女性・29歳)
「ちょっと早く言い過ぎたかなというのがあって」
(菊田さん)
「なぜ、そう思われたんですか?」
(女性・29歳)
「明らかに困ってそうだったんで」
(菊田さん)
「困っていた?」
(女性・29歳)
「今は会ってくれているけど、この先どうなるかわからないというのがあって、不安になっちゃって」
(菊田さん)
「病気一つで、あなたのことを判断しようと思ってない。良い所もすごくしっかり確認しているから、会い続けているんです。そこは、自信を持ってほしい。『私は一人しかいません。あなたと真剣交際に進みたい気持ちは固まっているから、もっと一緒にいたいと思っています』と言って、帰って来たらいい。本命には、何も濁す必要はありません」

 相談者と共に一喜一憂し、結婚というゴールに導くだけではなく、仲人は時に、その人の生き方そのものを後押しします。

(菊田さん)
「『良いこと言わなきゃいけない』とか『良い子にならないといけない』とか思わずに、感情を爆発させてもいいと思いますし、気を使わずに自分を出してほしいなと思っています」

 婚活とは、自分を見つめ直すこと―。彼に、素直な気持ちを伝えられたら良いですね。

(畑さん)
「あ、こんにちは!ようこそです~!」

 半年間の活動を経て、見事プロポーズに成功した男性(33)が、婚約者を連れて報告にやって来ました。

(男性・33歳)
「お見合いしたのが1月末ぐらいなので、まだ出会ってから2か月経っていない。それぐらい短い期間だけど、ずっと長い間いるような感覚はあります」

 見せてくれたのは、彼の想いがこもった立派なダイヤモンド。今から、二人で指輪を作りに行くんだそう。

(畑さん)
「は~~~めっっっちゃキレイ…」
(婚約者)
「ありがとね」
(男性・33歳)
「これからよろしくね」
(婚約者)
「こちらこそよろしく」

(畑さん)
「人生にとって、大きな決断じゃないですか。それに立ち会える瞬間ってすごく嬉しいですし、や
りがいでもあり、仕事のパワーにも繋がっていると思います。私にとってカウンセラーの仕事は、ズバリ天職です!」

 幸せな二人が帰った後も、余韻に浸る畑さん。

(畑さん)
「幸せ~!たまらんね、この時間。ほんとにラブラブ。良かった良かった~」

 相手の幸せは、自分の幸せ。今日も、誰かの背中をそっと押します。

(「かんさい情報ネットten.」2024年4月15日放送)

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