【速報】小林製薬「紅麹」健康被害 大阪市が厚労省に調査結果報告「カビ混入の危害を十分に認識せず」

小林製薬の「紅麹」の成分を含むサプリメント(紅麹製品)を摂取した人が、腎障害などの健康被害を訴えている問題で、大阪市は19日、健康被害の実態や商品の製造過程などをまとめた調査結果を厚労省に報告しました。
報告書では、初動対応について、「医師からの情報提供により同様の症状の健康被害を複数探知した段階で行政に報告をしていれば、被害拡大の防止に繋がったものと思われる」などと指摘しました。製造現場において発生したトラブルについて「速やかに適切な部門に共有される仕組みを構築することが重要である」としています。
また「カビが混入した場合の危害を十分に認識できていなかったことが本件の直接的な要因であったと考えられる」と指摘し、「無菌操作の作業練度や製造時の管理の一定性を確保すること」や「カビの発生を確認した場合は、清掃等の必要な措置を講じ、清潔な状態を確保すること」などを再発防止のための取り組みとして挙げました。
■これまでの調査経過
大阪市は、去年4月、健康被害にかかる情報収集や対応方針の検討を目的に対策本部会議を設置し、これまで6回にわたり会議を開いてきました。
これまで、工場への立ち入り調査や従業員への聞き取り調査などを行った結果、腎障害の原因となったのは「プベルル酸」を含んだ紅麹製品だと特定されていて、健康被害については去年10月「食中毒である」と判断されています。また「プベルル酸」は、紅麹を培養する段階で工場内の青カビが混入してできたとみられています。
■工場内の青カビの混入
青カビについては「培養時やサンプリング時に器具等を介して、外気がタンクに入った可能性」などが示され、工場内の複数の工程で混入した可能性が指摘されています。
工場への立ち入り調査では「培養ドラムの経年劣化等により、亀裂・培養時のエア漏れ等が複数確認された事実」などが明らかになっていて、今回の報告書でも「青カビの胞子等が培養ドラム内に混入し、増殖した可能性」などが考えられるとしています。
一方、当時の製造記録や聞き取り調査のみでしか判断ができないことから、混入のタイミングや経路を特定することは困難だとしています。