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【箱根駅伝】"人生をうたい上げる実況"のウラ側に綿密な準備とこだわりがあった! 実況担当・蛯原アナが語る

2022年12月16日 14:02
【箱根駅伝】"人生をうたい上げる実況"のウラ側に綿密な準備とこだわりがあった! 実況担当・蛯原アナが語る
箱根駅伝の実況で大切にしているポイントを語る蛯原哲アナウンサー
毎年1月2日、3日に行われる箱根駅伝は、2023年に99回目を迎えます。連覇を狙う青山学院大学、出雲・全日本を制した優勝候補の駒澤大学など20校と、関東学生連合チームの計21チームが参加し、往路と復路の全10区間で競います。

その箱根駅伝の実況担当23年目を迎えるのが、日本テレビの蛯原哲アナウンサー。5年連続で、先頭集団を実況する「1号車」を担当します。

蛯原アナはこれまで箱根駅伝の実況で「お父さんは普段厳しい人だが、大学3年でケガに苦しむなか帰省したとき『苦しんで走るくらいなら辞めて地元愛媛に戻ってきてもいい』と優しく言われたそうです。『自然と涙がでました』と振り返りました」「卒業後は熊本県の村役場に就職します。箱根は競技人生の集大成、同時にこれからの人生のスタートラインです」と、選手の人生までうたい上げる数々の実況を残してきました。

この実況のため、毎年独自の取材をして、情報をまとめているといいます。そこで見せてくれたのが「短冊」と呼ばれるお手製の実況資料。

登録選手など約350人を20人のアナウンサーが手分けして取材し、その情報から各アナウンサーが実況に使えそうなネタをピックアップして「短冊」を作成しています。

短冊には選手の1万メートルのタイムや出身地などの情報に加え、走りの特徴や大会への思いを記した"3行情報"と呼ばれる、細かい選手情報がぎっしり書かれています。

そのなかで蛯原アナが作る短冊には、ある特徴が見られます。

それは選手の家族や故郷の情報を盛り込むこと。

蛯原アナ「お母さんが作る山形県の郷土料理芋煮が大好き。これは他の後輩アナウンサーが見たら『蛯原さんそれを一番上に書くんだ』と思う人もいると思うけど、僕はこういうのが大好きです。故郷が山形、絶対山形のお母さんも見ている」

しかし、これだけ準備した資料も本番ではほとんど見ないと言います。

蛯原アナ「スタートの1区ですと、21 人がいきなり飛び出してくるので、もう(資料を)見ていられないですよね。なので、だいたい1月1日(本番前日)の夜に1区のランナーは名前を何も見なくても言えるように練習しています」

また選手の名前の呼び方についても「自分の家族だと、自分の息子だと思って名前を届けたいなと思って、名字だけじゃなくて名前も言えるようにしています」と、実況でのこだわりを語りました。

11月中旬から本格化するというアナウンサーたちの取材。2023年1月2日、3日に行われる第99回箱根駅伝では、往復14時間にも及ぶ生中継での実況にも注目です。