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【箱根駅伝】駒澤・藤田敦史新監督「一番大切にしているのは、大八木さんの“情熱”」選手への声かけは?

2023年12月25日 5:55
【箱根駅伝】駒澤・藤田敦史新監督「一番大切にしているのは、大八木さんの“情熱”」選手への声かけは?
大八木弘明総監督と藤田敦史監督(写真:日刊スポーツ/アフロ)
来年1月2日、3日に迎える第100回箱根駅伝で2連覇に挑む王者の駒澤大学。今年から28年にわたりチームを率いてきた名将・大八木弘明監督が勇退し、後任に藤田敦史コーチが新監督として就任しました。史上最強チームの新体制は、変わることなく今年も強さが健在。出雲駅伝と全日本大学駅伝を制し、“史上初”の2年連続大学駅伝三冠に王手をかけています。

練習では、「足元気をつけろよ!」「さぁしっかりやろう、やろう!」「腕を振らなかったら、上りは進まないよ」と選手たちに寄り添った言葉をかける藤田監督。さらに練習についてこられなかった選手へは「もう一段上に自分がいくために何をするかということが大事だから。チャンスが目の前にあるのだから、つかみにいかなかったら自分の中で得られるものはないよ」と、選手を奮い立たせる言葉をすぐに送ります。

声かけには、自身の経験がベースとなっています。現役時代、駒澤大学の主軸として4年連続で箱根駅伝に出場した藤田監督でしたが、高校までは無名のランナー。

「(高校時代は)全国大会も出た事のない選手だった。弱かったんですよ、元々が。“すごく弱かった自分”と“強くなった自分”と、2人の自分を知っているのが今の指導にもかなり生きています」

選手として強かった時期も、弱かった時期も知る藤田監督。エースの篠原倖太朗選手(3年)は「(大八木総監督の下で選手としても)藤田監督は、元々やってきた経験がある。それを基にアドバイスをしてくれる」と話しています。

そして、大八木総監督の指導スタイルから藤田監督が最も影響を受けたことは。

「一番私の中で大切にしているのが、大八木さんがずっと28年間やってきた“情熱”。同じ言葉で指導していても、大八木総監督が築き上げてきた実績やカリスマ性、そういうバックグラウンドが全然違う。選手たちがどういうことを考えているのか確認をしながら、話し合いを重ねた上でお互い考えをすりあわせて、同じ方向に向かっていく」

声かけの思い出は「抜いちまえ!」

そして第100回箱根駅伝では、監督して初めてとなる箱根駅伝での声かけ。これまでは“駒澤名物”ともいえる大八木総監督の声かけが注目されてきましたが、藤田監督自身もその熱い言葉に背中を押された1人でした。

1999年の第75回大会。最終学年で4区を任された藤田監督は、先頭の順天堂大学を捉えると、大八木監督からの声かけ。当時の言葉について藤田監督は「前にいたワゴン車から、大八木監督の顔が突然出てきて『抜いちまえ!』と言われた。もうそれしか覚えていないです(笑)」と振り返りました。この言葉に藤田監督は笑顔でガッツポーズ。一気にペースアップすると、順天堂大をかわしトップへ。中継所で2分20秒あった差をひっくり返し、当時の区間新記録をマーク。駒澤大学初の往路優勝の原動力となりました。

声かけの大切さを誰よりも知る藤田監督。「いい時も悪い時も全部見てきている。その上で選手が走っている姿を後ろから見た時に、思いがつまったものが出るのではないかと思う。その思いを言葉に乗せて声をかけてあげたい」と、寄り添う姿勢で声をかけてあげたいという思いを明かしました。

就任1年目で史上初の偉業達成なるか。藤田監督が箱根駅伝でどんな姿を見せてくれるか注目です。

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