【箱根駅伝】師走の合宿ではチームの底上げ重視 史上初2年連続3冠へ駒澤大に慢心はない
■出雲・全日本では盤石の走りで優勝
2位に3分以上の大差をつけて優勝しましたが、それでもチームは満足しきることなく、「チームとして求めてきた結果は得られたのですごくうれしいが、個人の走りがうまくいかなかったというか、頭を使って走れなかった」と反省を口にした鈴木主将。「箱根まではまだ期間があるので、最後なので全力で(優勝を)獲りにいきたい」と、大会直後にもかかわらず、その目は箱根駅伝に向いていました。
■最終調整でもチームの底上げ…準備を怠らない駒澤の流儀
箱根まで1か月となった12月。駒澤大学は千葉県白子で最終調整の合宿に入りました。
藤田敦史監督「俺たちはこれだけの練習をやっているんだから、絶対試合では負けない。だけど、試合で勝つための準備はとことんやるっていうのが今の駒澤の選手たち」
出雲駅伝・全日本大学駅伝を制した駒澤大学でも、箱根駅伝は侮れない。準備はとことんやる。藤田監督率いるチームの流儀がみえる合宿となりました。
合宿初日は30キロ+4キロの距離走。藤田監督は鈴木主将に「芽吹さ、3周と4キロまでやるから、最後の3周目から4キロは芽吹が引っ張って、後はあまり経験がない選手に引っ張らせて」と、練習の先頭を引っ張る選手について指示。
序盤は鈴木芽吹選手・篠原倖太朗選手・佐藤圭汰選手のトリプルエースや4年生は後ろに位置し、他のメンバーに先頭を走らせて引っ張らせます。チームの底上げのため、経験を積ませるのが狙いだといいます。
重要なのは一定のペースを守ること。大八木弘明総監督も「去年(の練習)より7秒くらい速いから、余裕持っていけ」と後方を走る車から声をかけます。
最後の踏ん張りはキャプテン・鈴木選手の力を借りますが、3年生の小牧波亜斗選手が離れそうになると、すかさず大八木総監督は「おーしいけ!もうちょっといけ!30キロ一緒に終わろう、一緒に終わろう、一緒に終わろう」と発破をかけます。
全員で一緒に走りきる。苦しみながらも諦めなかった小牧選手、その粘りがチームを強くします。
藤田監督も「昨年と同等くらいの内容で30キロを踏むことができたので、いよいよ箱根に向かってやっていく中でのスタートの練習だったと思っています。そういう中ではいい練習を今日はやることができた」と感触を得た様子。
箱根連覇へ王者に慢心はない。トリプルエースはそれぞれ意気込みを話しました。
佐藤「絶対どの区間であっても区間賞を獲って、優勝という目標に貢献できるように頑張っていきたい」
篠原「(2023年の)1月4日からずっと3冠をすると言ってきている。残り1つの箱根駅伝をしっかり優勝して、個人的になっちゃうんですけど、芽吹さんにすごくお世話になったので、芽吹さんを胴上げできたらなと思います」
鈴木「ここまで来るにあたって色々な方々に支えてもらって、特に毎日一緒にいる仲間たちには本当に支えてもらったので、みんなで一緒に勝ちたい」