【箱根駅伝】 “強い神奈川大学”復活へ 「今のままではOBに顔向けができない」駅伝主将が決意
■入学の理由は「"強い神奈川大学"を見て」 背中で引っ張るキャプテン
神奈川大学は、箱根駅伝通算出場回数53回、総合優勝2回を誇る伝統校。マラソンの日本記録保持者である鈴木健吾選手の母校でもあります。
前回大会は、予選会で10位の国士舘大学にわずか34秒及ばす11位で予選落ち。13年ぶりに出場権を逃し、選手たちは大粒の涙を流しました。
今年の夏合宿では、1年前の悔しさを胸に、走りこむ神奈川大学の姿がありました。
4年生の駅伝主将・小林篤貴選手は、「僕は鈴木健吾さんなど"強い神奈川大学"を見て入学を決めた。今のままではOBに顔向けができないですし、それも含めてキャプテンとして背中で語りたい」とその言葉通り、めざましい活躍でチームをけん引。
今季は、10000メートル、ハーフマラソンの2種目で自己ベストを更新。「走力の部分では自分が頑張ろうと思って頑張っています」と話すキャプテンの姿に、大後栄治監督は、「しっかりと背中でリーダーシップをとってくれている」と全幅の信頼を寄せます。
■監督が期待するもうひとりのキーマン 強い神奈川大学を取り戻す2年ぶりの箱根路へ
そしてもう一人、監督がキーマンとしてあげるのは、4年生の佐々木亮輔選手です。監督自ら「さすがチームリーダー」と声を掛けるなど、この1年走りでチームを引っ張ってきました。
佐々木選手の成績が上がったのは、「いきなり(佐々木が)自分も実業団に進みたい、マラソンをやりたいんだと話した。本人も覚悟を決めているようで。それから、練習量が増えて、結果も出てきた」と大後監督は明かします。
陸上を続けたい、その強い思いが佐々木選手を奮い立たせ、5月の関東インカレ(2部)ハーフマラソンでは、6位入賞。「これで陸上競技を終えるのは嫌だった。もう1回、大学でやめるにしろ、続けるにしろ、結果を出したいという思いで走っていました」と覚悟を結果で示しました。
涙にくれた日から1年、迎えた第100会箱根駅伝予選会。エースでキャプテンの小林選手は、日本人3位でフィニッシュするなど、チームも予選会を7位で箱根路に返り咲きました。
それでも、選手たちは浮かれることはありません。小林選手は、「まずは通ってよかったなということで。次の目標は箱根でシード権を取るということなので、それに向けてまた頑張っていきたいと思います」と決意。佐々木選手は「7位で通過ということだったので、気は抜かずしっかりと箱根でシードがとれるようにここからの練習をしっかりと積み重ねていきたいなと思っています」と気を引き締めます。
強い神奈川大学を取り戻す。"プラウドブルー"のタスキが、2年ぶりの箱根路を駆け抜けます。