大東大が主力のトラブルも2年連続トップ通過 東農大のスーパールーキー前田は「2区を希望」/箱根駅伝予選会
この予選会は、ハーフマラソン(21.0975㎞)を各校最大12人が走り、上位10人の合計タイムで順位を競います。第100回記念大会の今回、本大会に進めるのは例年より3校多い13校となり、関東以外の大学にも門戸が開かれ、史上最多57校が参加し、665人の学生ランナーが出場しました。
■個人1位はキップケメイ選手 日本選手1位の前田選手はU20日本最高記録にあと1秒
レース序盤から、予選会で2年連続個人1位のワンジク・チャールズ・カマウ選手(武蔵野学院大学4年)や、5000mと10000mの日本学生記録をもつリチャード・エティーリ選手(東京国際大学1年)ら留学生を中心に先頭集団が形成。5キロを14分15秒とハイペースでレースは進みました。
しかし8キロ過ぎにトップ最有力候補に挙がっていたエティーリ選手が転倒し、後れをとるアクシデント。その後は、快調にとばしたシャドラック・キップケメイ選手(日本大学1年)が、デニス・キプルト選手(日本薬科大学1年)の猛追をかわし、1時間00分16秒の好記録をマークして、トップでフィニッシュします。
日本選手では、ハーフマラソンで日本歴代9位の記録を持つ吉田礼志選手(中央学院大学3年)がただ一人、留学生のハイペースに付いていきます。しかし、後半にペースダウン、代わって終盤には、注目の1年生、前田和摩選手(東京農業大学)が存在感を示しました。
「15キロまではじっくり我慢して、ラストで力を出し切って終わるという走りを想定していた」と15キロでギアチェンジ。5キロごとのラップタイムは、15キロから20キロの間で14分27秒と最も速いタイムでした。そして、20キロを前に吉田選手を抜き去り、日本選手トップの9位でフィニッシュしました。
この記録は1時間1分42秒と、3年前に当時1年生だった三浦龍司選手(順天堂大学4年)がマークしたU 20日本選手最高記録に1秒と迫りました。前田選手は「(エース区間の)2区を希望していて、各大学の強い選手と勝負したい」と話しており、本選での走りも大きな注目を集めそうです。
■2年連続で大東大がトップ通過。13位と14位は、わずか3秒が明暗を分ける
10キロ通過は8番目でしたが、15キロで4番目、17.4キロで2番目と後半に順位を上げ、終盤に明治大学を逆転。トップで本大会出場を決めました。
「昨年は集団走をしましたが、今回は基本的には単独走で行かせました。(通過できるなら)何番でもいいとチャレンジした結果。本選に向けてプラス材料になります。100回大会と同時に大学は100周年を迎えたので、記念すべきタイミングでシード権を確実にとりたいと思います」
真名子圭監督は、予選会で得た手応えと本大会に向けた意気込みを口にしていました。
予選会から本大会への出場権をかけた戦いの結果は以下の通りです。
1位 10時間33分39秒 大東文化大学
2位 10時間34分38秒 明治大学
3位 10時間35分08秒 帝京大学
4位 10時間36分42秒 日本体育大学
5位 10時間36分54秒 日本大学
6位 10時間37分06秒 立教大学
7位 10時間37分20秒 神奈川大学
8位 10時間37分21秒 国士舘大学
9位 10時間37分27秒 中央学院大学
10位 10時間37分58秒 東海大学
11位 10時間39分05秒 東京農業大学
12位 10時間39分40秒 駿河台大学
13位 10時間39分47秒 山梨学院大学
----ここまでが本選出場----
14位 10時間39分50秒 東京国際大学
15位 10時間43分15秒 麗澤大学
16位 10時間43分16秒 拓殖大学
17位 10時間44分41秒 上武大学
18位 10時間44分51秒 専修大学
19位 10時間48分34秒 日本薬科大学
20位 10時間49分07秒 筑波大学
日本大学は、個人トップのキップケメイ選手の活躍もあって、4年ぶり90回目の出場を決めました。また、スーパールーキーの前田選手が日本選手トップだった東京農業大学は11位となり、10年ぶり70回目の本大会出場となりました。
次点の14位は、6年連続出場中の東京国際大学でした。エティーリ選手は転倒した後も懸命に走りましたが、13位の山梨学院大学にはわずか3秒届きませんでした。1人当たり0.3秒が明暗を分ける結果となりました。
来年1月2日、3日に行われる第100回箱根駅伝は、前回大会でシード権を獲得した10校に、予選会を突破した13校を加え、全23校が参加して開催されます。