【関東インカレ・ハーフマラソン】1部は日体・藤本、2部は國學院・伊地知が優勝
序盤はスローペースだった男子2部は、15km過ぎに伊地知賢造選手(國學院大3年)が先頭に躍り出て、レースが動きました。
「トラックに入ってからのスパートはあまり自信がないので、15kmで1回仕掛けました。(後続も)付いてくると思ったんですけど、思ったより離れてくれて、そのまま自分のペースを刻むことができました」
それまで先頭集団のペースの上げ下げに惑わされずに、「自分のペースを刻んでいた」という伊地知選手は、レースプラン通り早めに仕掛けると、じわりじわりと後続を引き離し、1時間2分50秒で初優勝のフィニッシュを切りました。
「青学さん、駒澤さんの集団の中で勝つことが自分の仕事かなと思っていました。國學院四本柱の中で自分が1番下なので、底上げができたと思います」
今年1月の箱根駅伝ではエース区間の2区を担い区間12位だった伊地知選手が、得意のロード種目で存在感を発揮しました。
2位以下は、今年の箱根駅伝を制した青山学院大学の選手たちと、昨年度優勝の駒澤大学の選手たちが、熾烈な争いを繰り広げました。
駒澤大は、花尾恭輔選手 (3年)が、昨年に続き2位。ハーフマラソンの日本人学生最高記録を持ち、今季主将を務める山野力選手(4年)も4位に食い込みました。
青山学院大は、昨年優勝の西久保遼選手(4年)が3位、横田俊吾選手(4年)が5位、田中悠登選手 (2年)が7位と、1500mに続いて、箱根未経験の選手たちがトリプル入賞を果たし、層の厚さを見せました。
1部では、日本体育大のエース・藤本珠輝選手(4年)が盤石のレースを見せました。昨年の関東インカレは5000mで6位、10000mで4位とトラック2種目で入賞している藤本選手ですが、今年はトラック種目ではなく、距離の長いハーフマラソンに出場しました。「春先に故障や病気などがあり、スピード練習ができなかったので、ひたすら距離を踏んだ」ことが理由の1つでした。
「自分がレースを引っ張ると思っていました」という藤本選手の予想通りにレースは進みます。途中で他の選手に先行を許す場面もありましたが、序盤から藤本選手が積極的に先頭集団を牽引しました。そして、約12kmで先頭集団を抜け出すと、じわじわと後続を引き離しにかかりました。単独走になってからもペースは衰えず、そのまま1位でフィニッシュ。記録も1時間2分20秒と、2008年にメクボ・モグスさん(山梨学院大)がマークした大会記録を3秒更新する快挙でした。
また、1部では東洋大の選手たちが10000mに続きトリプル入賞を果たしました。今年の箱根駅伝で1年生ながら7区を走った梅崎蓮選手が2位と大健闘。4月の焼津みなとマラソン(ハーフ)を制した木本大地選手(4年)が5位に、今季主将の前田義弘選手(4年)が8位に入りました。
「昨年は長距離種目が0点に終わり、伝統を崩してしまった責任を持ってやってきました。10000mの選手たちに刺激を受け、自分たちも全員入賞しようと言っていました。それが叶ってよかったです」と梅崎選手が言うように、今季の東洋大は春先から絶好調です。