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【高校サッカー注目・徳島】徳島市立 過去最高のタレント軍団で悲願の国立を目指す!

2022年12月25日 22:00
【高校サッカー注目・徳島】徳島市立 過去最高のタレント軍団で悲願の国立を目指す!
徳島市立のエース・林秀太選手
12月28日に開幕する第101回全国高校サッカー選手権。新たな時代の幕開けを感じさせる今大会に出場する徳島県の代表・徳島市立は29日に尚志(福島県代表)と対戦します。

昭和から平成、そして令和へと時代の移り変わりに徳島県の高校サッカーをけん引してきた「市高ブルー」が悲願の国立競技場ベスト4を目指します。

■少数精鋭ながら選手層の厚さは過去最高

「自分が見た世代の中では選手層が一番厚い」

そうチームを評するのは河野博幸監督。選手権大会では、監督に就任して以降10回連続で県大会決勝、そのうち7度は全国の舞台へとチームを導いた徳島の名将です。3年前の98回大会、県勢としては23年ぶりとなる選手権全国ベスト8入りしたことで、四国の公立校に夢を求めて関東や九州からも入部希望者がやってくるようになりました。

それでも、部員数は63人と全国の強豪校と比べ少ない人数ですが、選手たちは『目標は3年前の過去最高成績を超えるベスト4』(織田大翔主将)と口をそろえて言います。

徳島市立の練習グラウンドには、ほかのチームではあまり見ない光景が広がっています。ABCといったチーム分けがされず、1年生から3年生全員が同じ場所で同じ練習をしているのです。「1年生でも、怪我に泣いた選手でも、部員全員がいつでも試合に出られる可能性がある環境だ」と河野監督。

常にアピールの場である練習は活気にあふれ、主力選手にとっても『練習強度が落ちる面はあるが、同じメンバーばかりではなくいろんな仲間と練習することで新しいサッカー感に触れることもあるし、何より相手の事を考えてプレーする力が身につく』(織田大翔主将)と成長の場になっていることが、少数精鋭かつ選手層の厚さを実現している所以です。

■地元開催ながら苦しんだインターハイ

7~8月、インターハイ“躍動の青い力 四国総体”が徳島県など四国4県と和歌山で開催されました。サッカーは徳島県内で行われ、地元のサッカーファンにとっては全国の強豪たちを目の当たりにできる夢のような夏となりました。

徳島市立の今年の3年生はいわゆる地元開催のターゲットエイジに当たり、大きな期待を寄せられながら3年間練習に励んできました。しかし夏場に相次いで主力選手が負傷離脱。守備の大黒柱・稲川陽友選手や両翼の吉田壮汰選手と柴田侑茉選手、さらに技巧派SBの野々村泰成選手などが不在の中、何とか県大会は優勝し全国の出場権を得ました。

迎えたインターハイの初戦、相手は栃木の“赤い壁”矢板中央高校です。試合展開は前半30分、ロングスローから先制を許し追う展開となります。後半アディショナルタイムにエース・林秀太選手の劇的ゴールで同点に追いつきますが、直後のプレーでまたしてもロングスローから失点。強さ高さが武器の強豪に一歩及ばず、1-2のスコアで初戦敗退となりました。ゴールを決めた林秀太選手も「自分がもう一点決めていれば勝てた試合。徳島開催なので何が何でも勝ちたかった」と悔しさを口にしました。

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■試練を乗り越え迎えた選手権
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