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45歳の父が息子の給水係に 25年の時を経て夢の箱根路駆ける 指導受けた監督からの打診に「感謝しかない」

2024年1月5日 6:02
45歳の父が息子の給水係に 25年の時を経て夢の箱根路駆ける 指導受けた監督からの打診に「感謝しかない」
親子での給水が実現した中央学院大学の黒岩勇禅選手
◇第100回東京箱根間往復大学駅伝競走(2024年1月2日往路・3日復路)

学生たちに交ざり、給水の準備をしていたのは中央学院大学OBの黒岩弘樹さん(45)。「20年間子どもを箱根に導いてきたつもりが、まさか自分が25年たって息子に箱根路へ導いてもらえるとは思っていなかった」と話します。

実は弘樹さん、100回大会の4区で、母校・中央学院大学の給水係を任されていました。力水を渡すのは、息子の黒岩勇禅選手(2年)です。

父・弘樹さん自身も中央学院大学のランナーでしたが、箱根駅伝の出場はかなわず。その夢を息子に託していました。

そして100回大会の出場が決まると、自身も指導を受けていた中央学院大学の川崎勇二駅伝監督から「給水をお前に任せるから、1秒でも稼げるように任せる」と言われた弘樹さん。

「まさか自分が給水係に指名されるとは思わなかったので、川崎監督には感謝の言葉しかないです」と話します。

25年の時を経て、初めて箱根路を走ることになった弘樹さん。ついにそのときが訪れます。

沿道から「勇禅!勇禅!いけるいける!」と声をかけると、勇禅選手と並走。力水を渡しながら「切り替えて、こっからこっから!」と発破をかけました。

父の思いも襷(たすき)に込め、区間6位の快走を見せた勇禅選手。「給水という役割ですけど、父と一緒に箱根の舞台を走れたのはすごくうれしい。自信と誇りを心持ちにしてこれからも頑張っていこうと思います」と父との箱根路を振り返りました。

息子とともに走れた夢の箱根路。「こんな日が来ると思わなかった」と弘樹さんの目頭は熱くなっていました。
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