療養中の少年 ラグビーチームに“入団”
先月26日、ラグビートップリーグ・NTTドコモレッドハリケーンズの“入団会見”が行われました。チームに加入したのは小学校1年生、7歳の楠本陸人くん。3歳の時に小児慢性疾患を発症し、現在も定期的な通院と投薬治療をしています。
そんな陸人くんをサポートしたのがNPO法人「Being ALIVE Japan」。
長期療養が必要な子供にスポーツチームに入団してもらい、チーム活動を通して仲間との青春を経験してもらう取り組みを行い、これまでもJリーグ・湘南ベルマーレやBリーグ・アルバルク東京など、プロのスポーツチームに13人の子供たちが入団してきました。ラグビー界では陸人くんがはじめて。
陸人くん
「楽しそうやなあと思った。ラグビーやってみたい。(選手と)一緒に練習したい」
陸人くんは試合でプレーこそしませんが、チームの正式メンバーとして、選手をサポート。練習やイベントに参加します。陸人くんの入団を選手も歓迎。
王子拓也選手(25)
「小さな子供が我々のチームの一員として、加わってくれるという、我々にとっても新しい刺激になると思いました。陸人のためにという風な気持ちがきっと選手たちを動かすと思う。大切な仲間が増えたという気持ちが多かった」
陸人くんが入団したNTTドコモは開幕から3連勝、3位と好調。14日に行われた第4戦は首位・パナソニックとの決戦。
陸人くんはチームの一員としてサイン会を開催。自分が描かれたカードにサインし、ファンに手渡していきます。さらに、試合前の選手を出迎え、サポート。
陸人くんが大好きという、ニュージーランド代表のTJ・ペレナラ選手(29)にもしっかりとグータッチしてチームを盛り立てます。陸人くんは試合中、スタンドで選手を応援。
陸人くん
「生のほうがどこも見れるから。テレビやったらトライしたらトライしてるとこしか見れない。全部見えたほうがいい」
陸人くんの応援もあり、味方選手が躍動します。前半34分、モールで押し込み、逆転トライ。陸人くんも大喜びで一緒に観戦していた選手とハイタッチをかわします。
しかし、試合はパナソニック・福岡堅樹選手(28)のトライなどで逆転負け。それでも、試合後。
ペレナラ選手
「ありがとうございます。Thank you!」
ファンに配っていたカードを大好きなペレナラ選手に渡すことができました。
ペレナラ選手
「あのサインはこれから先もずっと大事にします。会うのを毎回楽しみにしていますし、エネルギーといいプレーをする勇気をもらっています。僕も勇気をあげられるようなプレーをこれからも頑張ります」
王子選手
「我々の活動として陸人くんがなにか新しい夢であったり、生きていく上での目標をもってくれたらと思っているので。勝った時の喜びを一緒に味わっていきたいと思います」
提供:NPO法人 Being ALIVE Japan