五輪2大会連続メダル 柔道・海老沼が引退
15日、柔道の66キロ級で2012年ロンドン、2016年リオと2大会連続で五輪銅メダルを獲得した海老沼匡選手(31)が都内で記者会見を行い、現役引退を発表しました。
涙は一切なく、時折、笑顔も見せた海老沼選手。引退を決めたのは去年11月、決勝戦で敗れた講道館杯でした。
「決勝で負けて、国際大会で活躍することが厳しいと思いました。世界の舞台で戦えるうちは柔道を全うしようと考えていたけど、あそこの舞台で負けたことで国際大会の派遣、世界選手権もなくなったなと自分で感じたので、ここで一区切りだなと」
自身の柔道人生については「五輪で金メダルがとれなかったことだけは反省点ですが、自分自身では全力を尽くして柔道と向き合ってきました。全体を通じて悔いはありません」と振り返りました。
海老沼選手は背負い投げを武器に、攻め抜く柔道スタイルで活躍。66キロ級の代表として出場した12年のロンドン、16年のリオ五輪では2大会連続で銅メダルを獲得。世界選手権でも3連覇を成し遂げました。
リオ五輪後は階級を73キロ級に変えて東京五輪出場を目指したものの代表争いに敗れ、今年6月の世界選手権代表にも選考されませんでした。
それでも「勝っても負けても最後」との決意で出場した今月の全日本選抜体重別選手権では73キロ級で見事優勝。66キロ級に続いて2階級制覇を達成し有終の美を飾りました。
今後は所属するパーク24のコーチに就任する予定の海老沼選手。「指導者としてはゼロからのスタート。スポンジのようにいろんなことを吸収したい」と語り、2度の五輪を経験した自らの経験から「五輪は選手自身も含めてたくさんの方が浮き足立っている。そういうときに平常心でいて、周りに流されず自分のペースを守れた選手が金メダルをとれている。指導者として五輪に携わる機会があれば、いかに平常心にさせるかを意識してアドバイスできたら」と話しました。