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「“国枝2世”ではなく小田凱人として見てほしい」全仏OP制覇の小田凱人 国枝さんとの秘話語る

2023年6月21日 11:00
「“国枝2世”ではなく小田凱人として見てほしい」全仏OP制覇の小田凱人 国枝さんとの秘話語る
帰国した小田凱人選手
車いすテニスの全仏オープンで史上最年少優勝を果たした小田凱人選手。20日の帰国会見ではレジェンド国枝慎吾さんとの秘話、そして思いがあふれました。

■決勝戦前の国枝さんからのアドバイス

決勝戦の前週、国枝さんと1度だけ練習してもらったという小田選手は、その内容について問われると「国枝さんから伝授してもらったので、なかなかそれを外に出すことはできない」としながらも、「決勝戦を見てもらえばそれまでの試合との違いもわかると思う。クレーコートはハードコートよりも車いすが進まないので、その分、自分の攻撃的なショットがより効きやすくなるので、それを多用する、攻撃的なところです」とアドバイスが生かせたこと、そして試合後に国枝さんからほめてもらってうれしかったことを明かしました。

■グランドスラム50を超える

小田選手は今回、四大大会初制覇を果たしましたが、国枝さんは現役生活の間、グランドスラムで歴代最多通算50回優勝を達成しています。小田選手は「いま1つ取って『50かぁ』って。まだまだ長い道のりだなと感じます」と、ふっと笑いをこぼしました。しかし、果たせぬ夢とは考えていません。「まだ現役生活続くので、その中で数字が近くなってくれば意識はするかもしれません」としっかりと見据えて語りました。

■車いすテニスは「国枝さんの道」から「小田凱人の道」へ

会見の終盤、ひときわ力がこもった場面があります。国枝さんの後継とされること、またその未来をどう変えていくかを問われた場面です。小田選手は「相当プレッシャーがあるし、『国枝さんの後継者』や海外で『ネクスト・シンゴ』と言われることは、すごくうれしいが、常に『俺は小田凱人なんだ』という感情が少しはあって、『小田凱人』として見てほしいし、『車いすテニスの小田凱人』という伝わり方をしてほしいし、それだけの力が僕にはあると思う。それだけの結果を残さないとだめだなという責任感もある」と語り、「これまで国枝選手が積み上げてきたものがあるが、また自分は新しい道でつくっていければいいかなと思う」と語りました。

国枝さんを超える、と話すのではなく、「小田凱人の新しい道をつくる」と語る姿に、日本の車いすテニスの新しい時代が見える会見となりました。

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