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平良海馬39試合連続無失点 恩師語る原点

2021年7月2日 3:52
平良海馬39試合連続無失点 恩師語る原点

7月1日、埼玉西武ライオンズの平良海馬投手がプロ野球新記録となる、39試合連続無失点を達成しました。

平良投手は先月28日のソフトバンク戦で9回裏に登板。ソフトバンク打線を3者凡退に抑え、開幕から築き上げてきた無失点記録を「38」に伸ばし、2006年に、藤川球児さんが阪神で樹立した記録と並びました。

そして1日、PayPayドームで行われたソフトバンクとの一戦で登板した平良投手。1点リードの9回裏、先頭打者を3球で仕留めると、その後ランナーを背負うものの最後はソフトバンクの4番・栗原陵矢選手をファウルフライに打ちとり、39試合連続無失点のプロ野球新記録を達成しました。

平良投手は沖縄・石垣島の出身。中学から高校2年生まで指導した恩師、伊志嶺吉盛(いしみね・よしもり)さんに、平良投手の活躍について聞くと「すごいという感じしかない。五輪の代表選手になるとは夢にも思ってなかった」と、驚きを隠せない様子。指導していた頃の平良投手は「飛び抜けてすごい選手というわけでもなかったので、印象に残っている事はあまりない」と、振り返りました。

今では最速160キロの豪腕で無失点記録を重ねてきた平良投手ですが、高校入学時の最速は126キロ。特別速くはありませんでした。そんな平良投手が変わったきっかけは、伊志嶺さんが勧めた“下半身の筋トレ”でした。

当時から上半身は強かったという平良投手。そこで伊志嶺さんは、下半身さえ鍛えれば球速は上がる、と考え、高校での練習メニューに取り入れていた丸太やタイヤ押しなどの下半身強化のトレーニングに加え、股関節などの強化に取り組むよう指導。しかし平良投手は、その厳しいトレーニングについていけず、野球部退部を考えたと言います。

「辞めたい」と、相談にきた平良投手に、伊志嶺さんは「それでいいのか」と説得。「一番応援しているお母さんが心配する、悲しむよ」と話すと、「もう一度頑張ってみます」と泣きながら答え、平良投手はそれから変わったといいます。

平良投手は高校3年生になると、球速154キロまで伸び、プロ注目の投手に急成長。ドラフト4位で埼玉西武ライオンズに入団すると、2020年の最優秀新人賞に選ばれました。

その時、伊志嶺さんは平良投手へ「おめでとう」とメール。すると平良投手から「あの時辞めなくてよかった」と、返信がきたそうです。

今夏、日の丸を背負い東京五輪で戦う平良投手へ伊志嶺さんは「世界を相手に戦うので思いっきり自分のパフォーマンスを出して、それに尽くせるような五輪になってほしい」と、期待を寄せます。

そして1日、プロ野球新記録を達成した平良投手の活躍に伊志嶺さんは「平良海馬は野球の神様に好かれている。石垣島の人たちに活力をあげた。彼はまだ発展途上だから今回の記録は通過点として謙虚な気持ちで頑張ってほしい」とコメント。

恩師は今もエールを送り続けています。

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