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羽生結弦 苦しむ人に「春が来たらいいな」という思いをのせて“春よ、来い”で演技

2022年2月20日 20:12
羽生結弦 苦しむ人に「春が来たらいいな」という思いをのせて“春よ、来い”で演技
エキシビションに出場した羽生結弦選手 【写真:新華社/アフロ】

北京五輪最終日、フィギュアスケートのエキシビションが行われ、羽生結弦選手が登場。演技後、インタビューに答えました。

足首をケガしている状態で演技をした羽生選手。「今痛みを消してまでこの時間をただひたすら楽しんだというか、幸せな気分を味わいながら、そして皆さんにも幸せやちょっとした感情がともるような演技がしたいと思って頑張りました」とコメント。

「世の中にはたくさんつらいことがあって、どうしても逃げられないつらさや、何も言えないで苦しんでいる人に少しでも幸せな時間や少しでもほっとできる時間が、春が来たらいいなと思って滑りました」と“春よ、来い”を選曲した理由を明かしました。

自身3度目の五輪となった北京五輪については、「やっぱり幸せだなと。この舞台で滑れることはとても幸せだったし、忘れられない僕の宝物の時間になった」と振り返り、「皆さんのサポートや応援、祈りといった力が背中を押してくれた」とファンへの感謝を言葉にしました。

◆以下、羽生結弦選手の主なコメント

――“春よ、来い”どのような気持ちで滑りましたか?

「世の中にはたくさんつらいことがあって、どうしても逃げられないつらさや、何も言えないで苦しんでいる人もいると思いますし、それが目に見えているか見えていないかの違いだと思っているので、そういう方々に少しでも幸せな時間や少しでもほっとできる時間が、春が来たらいいなと思って滑りました」

――羽生結弦選手にとって五輪の舞台はどのような舞台ですか?

「自分が一番目指していたもの(金メダル)はとれなかったですし、完全な成功とは言えなかったですけど、でもやっぱり幸せだなと。この舞台で滑れることはとても幸せだったし、忘れられない僕の宝物の時間になったと思っています」

――“限界突破”の言葉とともに戦い抜いた4年間。その言葉は今どう映っていますか?

「僕自身は、僕ができることの限界までたどり着けたなと思っています。ただ最後の最後に背中を押してくださって、4回転半からの減点というところまでいけたのは皆さんのサポートや応援、祈りといった力が背中を押してくれたんだなと強く思っています」

――今後について

「今日まで好きなように滑らせていただいて、最後の最後までこの五輪を楽しませていただきました。ここからまた苦しい毎日が始まると思うと、さみしい気持ちにもなりますし、また滑れない日々が続くと思うと苦しいですけど、まずはしっかり足首を治して、体もいたわって、それからいろんなことを考えたいと思っています」

――今日は目に力が戻ってきたように感じますが、何か先を見据えていますか?

「今痛みを消してまでこの時間をただひたすら楽しんだというか、幸せな気分を味わいながら、そして皆さんにも幸せやちょっとした感情がともるような演技がしたいと思って頑張りました。これからの事は皆さんも気になると思うんですけど、僕自身もまだわかってないです。ただ一つ4回転半に関してはこれ以上ない場所で、これ以上ない皆さんの力とともにやりきれたと僕は思っています。そこからもうちょっとだろと皆さん言いますけど、そんなに簡単なことではないので、そういう意味では僕の4回転半はやりきれたかなと思っています」

――久しぶりのファンの歓声を聞いていかがでしたか?

「本当に幸せでした。ここにいてくださる方々だけではなく、テレビの前からたくさんの思いや祈り、エキシビションならではのただひたすら演技を鑑賞するということもあったと思うので、幸せな時間だったなと改めて思っています」

――4回転アクセル挑戦の日々は競技人生の中でどのような意味か?

「平昌五輪が終わってからの唯一のモチベーションだったなと思います。僕の中では五輪2連覇が最大の夢でしたし、それ以上のことは考えたことがなかったので、ただ幻のような、ただの冗談のようなことをひたすら追いかけてこの4年間苦しんでやってきたと思っています。平昌五輪のときにここから何も幸せはいらないから、苦しくても何でもいいから金メダルをとりたいと願って金メダルをとれたので、あのとき金メダルをとれた代償なのかなと思わなくはないです。でも、報われなかったからこそ今は今で幸せだなと思います」

(最後は深々とお辞儀をしながら)「ありがとうございました。またよろしくお願いします」

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