「モチベーション維持の仕方は?」ボクシング・井上尚弥と車いす国枝慎吾が超豪華トーク
式典では井上尚弥選手と国枝慎吾さんによる、世界の頂点を経験したもの同士の超豪華なトークセッションが行われました。
かねてから「現役生活は35歳まで」と公言している井上選手。改めて今後の将来について問われると「自分は35歳、4月で30歳になるんですけど、残りの現役生活あと5年と考えるとわりと短い。年によくて3試合、悪くて2試合、と考えたときに(5年で)10試合と少しと考えると逆算して進めていかないといけない。ボクサーとしての現役生活を見据えるならば、引退を見据えてやっていこうかなと」とコメント。
さらにトップレベルで長年戦い続けた国枝さんの印象を問われると、「20年近くトップで戦われているので、自分としても気になるところがモチベーションの維持、トレーニングに対する思い、壁にあたる瞬間があると思う。何十年もトップで続けられている選手だったので、そういうところをどう乗り越えてきたのか」と質問。
これに対し国枝さんは「偉大なチャンピオンからそんな質問をいただけるのは光栄なんですけど、世界一になると誰の背中も見えなくなってしまうというのは、僕も1位になった最初のときに思って。2位・3位だったら1位の背中を見て、あいつを倒すためにどう組み立てるかって考えながら、練習を組んでたりしてたんですけど、1位になった瞬間見えなくなってしまう。じゃあ自分自身何をモチベーションにするかというと、自分自身のスキルをいかに磨き続けるかってことに集中し続けるしかない。15年、16年くらい1位だったので」とコメント。
すると、国枝さんから「逆に聞きたいですね、長い間モチベーションをどう維持しているのか。しかも圧倒的じゃないですか」と井上選手に逆質問。
井上選手は「バンタム級という階級で続けるならば、自分はたぶん負けずにいけるんだろうなという思いがある。ただそれにはモチベーションが全然なくなってしまって、だからこそ今年から1階級あげてベルトも手放して、ベルトを持ってるチャンピオンから奪おうと。そういう選択肢をしましたね」とコメント。
挑戦し続けることがモチベーションの維持につながるとの回答に、国枝さんも「一番楽しい時ですよね、挑戦者になるって。僕もそうでしたね」と“チャンピオン”ならでは共感を見せました。