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体操・村上茉愛 “現役最後”を母へ

2021年10月19日 13:21
体操・村上茉愛 “現役最後”を母へ

北九州で開催中の体操世界選手権(18日~24日)、初日の予選で暫定トップに立った村上茉愛選手(25歳)。演技後のインタビューで、「決勝のゆかが最後の演技と思って、みていていいですか?」という問いかけに、「そう言われるとそうですね。すごく色々考えたりするが、五輪の時から1回1回が全力、普段の練習も1回1回全力でやっているので、その1回を無駄にしないような最高の演技をしたいと思っている」とコメント。

東京五輪の銅メダリスト村上選手が今大会を“現役最後”と位置づけていることを話しました。

■銅メダリスト支えた「母の存在」

そんな村上選手をいつも支えていたのは、母・英子さんです。大事な試合前には、実家の美容院で村上選手の髪を切り、いつも相談相手になっています。

オムツを替える時から「股関節が普通の子よりも柔らかい」と、体操選手としての可能性を誰よりも早く見抜いていた英子さん。言葉通り、村上選手の才能は開花、16年のリオ五輪に出場すると、21年の東京五輪では体操日本女子史上初となる個人種目で銅メダルを獲得しました。

久しぶりに有観客で開催となった世界選手権。北九州の地に単身で駆けつけた英子さんが18日、試合前、日本テレビの取材に応じてくれました。

――集大成をお母さんには事前に伝えていましたか?「(集大成と)決める前にちょっとした相談があった。『まだまだ(現役を)やるって言ったけど、実際練習に入ったら気持ちが入らない、夢が叶っちゃったから』って」

――いつ頃、相談きましたか?

「五輪の後ですけどね、もちろん。8月の終わりくらいかな。結構、休みももらえて間が空いて。『最後にしようかな、どうしようかな』って。悩んでたんでしょうね、いろいろとね」

――お母さんはどんな言葉掛けを

「とにかく茉愛がケガでもしたら困るし『自分の気持ちをまとめて監督に相談してみな』って言った。『言いにくいな』って(村上選手は)言ってたけど、こればかりは自分で決めることだから。ケガとか色んな心配はあったが、本人がそういう気持ちが、ちらちらあるのであれば『監督に相談してごらん』って言った。それで、すぐ次の日に(監督に)話したみたいで、パパッてすぐ決まった。それで『最後にしよう』ってなったのかなと思った」

――村上選手が現役最後の時期を決めた後、連絡はありましたか?

「(監督と)相談した後にすぐ連絡くれて。『世界選手権までやってそれで最後にしよう』って。監督の方からも『やめても良いんだよ』と、優しく相談に乗ってくれたということで、スッキリと堂々とできるようになったので、それが嬉しくて『これでちゃんと、決まったよ』っていう感じで、結構、晴れ晴れした感じだったかな。」

――その時のお母さんはどんな言葉をかけましたか?

「『決めたなら決めたで、そこ(世界選手権)まで頑張ろう』って言って。本当にみんなに見てもらいたいという目的が一番だったから『緊張することもないし、思い切って、楽しい体操で残りの最後まで、プレッシャーもなく、とにかく楽しんでね』ということしか言ってないですね」

――母としてどんな演技を期待していますか?

「現役最後だから最後は、20年間体操をやってきた色んな思いを全部出して欲しいので、笑顔も見たいし、ビシッとした顔から笑顔まで見たい。思い切り楽しんでほしい。失敗しちゃっても良いと思います。辛いことも乗り越えてくれたから楽しい体操をしてもらいたい」

■“現役最後”へ暫定1位スタート

18日の予選、ゆかで東京五輪の銅メダルを獲得した得点と同じ、14.166の高得点を出し、初日の予選を暫定1位で終えた村上選手。娘の会心の演技に英子さんは涙していました。

試合後、村上選手は、「演技が始まる前に(観客席にいる母の)顔を見られたし、『心配しなくていいよ』っていうような演技ができて、安心して貰えたと思う。決勝も来てくれるみたい、細かいミスが(予選は)あったので、そこを改善して頑張りたいなと思います」と、英子さんへの思いを語りました。

決勝進出すれば、村上選手の“ラスト演技”。ゆかの決勝は、24日に行われます。

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