◇車いすテニススペシャルクリニック(23日、東京・立川ルーデンステニスクラブ)

東京パラリンピック・車いすテニスの金メダリストで、今年1月に現役を引退した国枝慎吾さんや、2022年車いすテニスシングルス世界マスターズを史上最年少16歳5か月で優勝した小田凱人(ときと)選手が講師として参加したこのイベント。

まずはフィットネストレーニング。6つのコーンの間を往復するチェアワークのトレーニングで、そのデモンストレーションとして行われたのが、国枝さん対小田選手のタイムアタック。

2人は見事なチェアスキルを見せ、ゴールしたタイムはなんと同時。引退してもなお、16歳で現役バリバリの小田選手に負けない国枝さんのスピードに、参加者からはどよめきがあがりました。

さらにラケットを使ったボール打ちのトレーニングも実施。参加選手がミスショットをすると国枝さんは、スイングの仕方、打つまでの車いすの動かし方などについて身振り手振りを交えて指導をし、次第に参加者の方から国枝さんにたくさんの質問を投げかけるようになりました。

イベント終了後、小田選手は同じグループでレッスンを行った国枝さんについて、「説得力が違う。参加者の質問に対する国枝さんの回答が、そのまま自分に参考になるものがたくさんあった」と笑顔で語りました。

そして国枝さんは、「選手のときは、今後対戦することもあるかもしれないと思って、自分の知識・経験を伝えきれない場面もあった。選手をやめた今は自分の持っているものを純粋に伝えたい。しかしその引き出しは全開にせず、小出しにして伝えていきたい」と冗談を交え語りました。