江川卓のストレートを最新技術で分析
プロ野球で“昭和の怪物”と呼ばれた江川卓さん。そのストレートを、当時対戦していた多くのバッターが絶賛。当時は正確なスピードが計測できておらず、プロ野球史上最速なのではないかとも言われていました。
4日の「Going!Sports&News」では、現在ソフトバンクに対戦相手の傾向などの情報を提供しているライブリッツ社に、当時の投球映像から初速、回転数、回転軸を割り出してもらい、正確な球速の数値を計測してもらいました。
江川さんがプロ野球人生で投じたのは2万9002球。その中で自身が「最も速かった」と話したのが、1981年に20勝を達成した時の最後のストレート。江川さんは当時26歳、大洋の中塚政幸さんから三振を奪った一球です。
解析すると、その球速は“158キロ”。当時の計測では、球速は140キロ台だったため、当時より10キロ以上速い数値がたたき出されました。その理由は、当時はバッターに近いところの終速で測られていたのに対し、現在の投手は、投げた瞬間の初速を測られているためです。
現役時代から、球が浮き上がるような軌道だったと打者から恐れられていた江川さんのストレート。縦の綺麗(きれい)な回転軸と回転数が、当時の計測よりも、はるかに速いスピードであることが、分かりました。
また“平成の怪物”と呼ばれ、今季で引退した松坂大輔投手の球速も計測。対象となったのはプロデビュー戦で日本ハムの片岡篤史さんから三振を奪ったボールです。当時は155キロと計測されましたが、分析では157キロと判明。
現代の最新技術で解析することで、かつての大投手たちの正確な数値とすごさがより分かる結果となりました。