【箱根駅伝】3冠王手の駒澤大学 前回大会は涙の失速、先輩の支えで再びの箱根路へ

鈴木「絶望はしていたんですけど、先が見えなかったっていうのが一番あって」
それでもまたきっと走りだせる。そう思わせてくれた2人の先輩がいました。
■失意の鈴木選手を「風呂も入れてあげた」先輩
2020年に駒澤大学の門をたたいた鈴木選手は、1年生から箱根駅伝に出場しました。
山上りの5区で区間4位の走りをみせると、2年生では日本選手権3位に輝くなど、学生の枠を超えて、日本トップレベルの選手となりました。
迎えた2022年の箱根駅伝。鈴木選手が任されたのは復路の8区でした。2位でタスキを受け取りましたが、いつもの走りを発揮できず、順位を落としてしまいます。失速の原因は、左足の怪我でした。
それでもなんとか6位でタスキをつないだ鈴木選手。
「いつから足が痛くなったか明確には覚えてないんですけど、遊行寺のところで給水をもらった時点では、もう痛かったなと覚えています。個人のレースだったら絶対やめていましたが、やっぱり駅伝というのもあるので、絶対止まれなかったです」
中継所で途方に暮れ、涙があふれ出てきました。
鈴木「とりあえず先のことは全く考えられなかったです。もう終わった後は『手術とかするのかな』とか考えたりしました」
そんな鈴木選手に手を差し伸べたのは、タスキを渡した相手、先輩の山野力選手でした。
鈴木「僕3階部屋なので、風呂に行けなくて。3階から下ろしてもらうためにおんぶしてくれて、風呂にも入れてくれるみたいな。それをやってくれる人はなかなかいないです」
鈴木選手が1年生の時に寮で同部屋だった2人。普段から仲がいい山野選手が鈴木選手に寄り添ってくれました。
山野「普通そういうのは同級生に頼むじゃないですか。でもあいつ(鈴木選手)が『同級生は恥ずかしいから山野さんお願いします』って。風呂も入れさせてあげて、赤ちゃんみたいな感じでしたね」
山野選手の明るさが鈴木選手の心を軽くしてくれました。