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北京五輪 フィギュア女子 ROCの牙城崩す3位坂本花織 会心のSP

2022年2月17日 0:55
北京五輪 フィギュア女子 ROCの牙城崩す3位坂本花織 会心のSP

北京五輪フィギュアスケート女子シングル。ドーピング問題で異様な雰囲気、直前には“最強”ROC勢の演技…。プレッシャーがのしかかるなか登場した最終滑走者の坂本花織選手。プレッシャーをはねのけ、ショートの自己ベストを更新して3位に入りました。

■「最終滑走めっちゃ苦手」

「練習している限りは、やっぱり試合でどんな状況でも出来るようにしないといけないので、苦手な最終滑走とかでも頑張ってできるのかなと思います」

去年12月、日本テレビ系北京五輪メインキャスターの荒川静香さんがインタビューした際、このように答えた坂本選手。インタビューの直前に行われた北京五輪の切符をかけた全日本選手権でも坂本選手は最終滑走でした。

荒川静香さん
「苦手なんですか、最終滑走」

坂本選手
「最終滑走めっちゃ苦手で笑」

最終滑走は苦手…。しかし、15日のショートで坂本選手は最終滑走者となりました。さらに今大会はドーピング問題で異様な雰囲気…。それでも坂本選手は、持ち前の完成度の高い演技を見せます。ダブルアクセル、トリプルルッツ、トリプルトウループからの連続ジャンプと、ジャンプは全て成功。スピンとステップは全て最高難度のレベル4を獲得。ショートの技の出来栄え点は全選手でトップとなる完璧な演技でした。

笑顔がトレードマークの坂本選手です。ただ演技直後に見せたのは笑顔ではなく涙。坂本選手を長年指導している中野園子コーチは声をかけます。

「ようがんばった」

ショート後、坂本選手は「膝も笑っていたし心臓もバクバクで。でも、ここまでやってきたことをしっかりこの場で発揮しないともったいないので、先生としっかり集中して最後までやりきれてよかった」と振り返っています。

■ショートでただ一人成功、樋口新葉が挑んだ「トリプルアクセル」

坂本選手と同い年の21歳、樋口新葉選手。ショートの冒頭で挑んだのはトリプルアクセル。オリンピックで戦うために取り組んできた大技を見事に成功させました。オリンピックでトリプルアクセルを決めたのは、日本女子では浅田真央さん以来の快挙で、今回のショートでは出場選手の中で樋口選手だけが成功しました。

樋口選手はショート後、「練習でもだんだん調子が上がってきていたので、本番でしっかり決められたのはすごく自信につながった」と話しています。

■強敵のROC勢

ショートでトップに立ったのはROC(ロシアオリンピック委員会)の15歳、カミラ・ワリエワ選手。冒頭のトリプルアクセルは着氷が乱れましたが、後半に高難度の連続ジャンプを組み込み、さらにスピンやステップの出来映えなども高く評価され、ショート1位になりました。

2位はROCの17歳、アンナ・シェルバコワ選手。ミスのない演技で坂本選手を上回る2位に。ショート後、シェルバコワ選手は私たちの取材に「今日のパフォーマンスはよくできたと思う。あまり緊張せずに動きをコントロールできてとても満足」とコメントしています。

ショートは1位がROCのワリエワ選手、2位にシェルバコワ選手、3位が坂本選手、4位がROCのアレクサンドラ・トゥルソワ(17)、5位は樋口選手と、上位をROCと日本勢が独占する結果となりました。

ROCの牙城を崩すことができるのか。運命のフリーは17日の夜行われます。