「死にたいくらいへこんだ」代表落選から奇跡の復活を果たしたラグビー日本代表・山中亮平 “兄貴”廣瀬俊朗が明かした特別な言葉
しかし、フランス大会のメンバー発表では、名前が呼ばれなかった山中選手。実は、発表前に落選を知らされていたと言います。「頭が真っ白になった感じ、今でも思い出したらつらい。死にたいくらいへこみました」と当時の心境を語りました。
■失意の代表落選 盟友・廣瀬俊朗が山中亮平に火をつけた言葉
日本代表のメンバーが発表される直前に山中選手が相談したのが、10年以上のつきあいがある友人・吉谷吾郎さんと、山中選手が“兄貴”と慕い日本代表でも一緒に戦った廣瀬俊朗さんでした。
落選の報告を受けた廣瀬さんは「そんなことが起きるの?ウソやろ?」と信じられない様子だったそうで、山中選手は「周りがすごく期待してくれていたので、申し訳ないことをした。マイナスな考えがずっとあった」と絶望にうちひしがれていたと言います。
落ち込む山中選手に再び火をつけたのが吉谷さんが言った「2027」と言う言葉。山中さんに投げかけたのはフランス大会のさらに先、2027年W杯オーストラリア大会でした。
廣瀬さんは「山ちゃん(山中選手)だったら39歳でもいける。最後いけるかいけないかは監督が決めるけど、目指すことは選手が決めること。その姿勢を見て勇気づけられる人もいる」といい、その言葉に山中選手は「2時間で前向きになれた」と当時を語りました。
そして、代表落ちが発表されたその日、山中選手はSNSを更新。「このまま諦めるのは性に合わないので山中は、2027年のワールドカップ目指します。年齢とかそんなん関係ない。できるできへんじゃなくてやるかやらんか。ラグビー人生、第3章のスタートです」と思いをつづりました。
■一度はあきらめたW杯「意味のある10分」
2023年の9月、フランス大会が開幕すると日本の第2戦のイングランド戦で山中選手と同じポジションのマシレワ選手が足を負傷し戦線離脱。そこで急きょ招集されたのが山中選手でした。
日本の最終戦となったアルゼンチン戦、後半残り10分で出場した山中選手は「2019年の時とは違った感覚でした。あのピッチに立ちたくても立てない選手はW杯のメンバーに入ってもいる。(出場が)10分でも意味のある10分だった」と振り返りました。
最後にラグビー人生第3章へ向け山中選手は「自分自身も(次のW杯に)39歳で出られたらすごいと思いますけど、やってもないのに無理だろって決めつけるんじゃなくて、やるかやらないか僕はやるっていうだけの話で。何かにチャレンジすることがある人は一歩踏み出してやってほしい」と思いを語りました。