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北京五輪日本代表124人出身地を深掘りすると、ある傾向が…過去には意外な出身地も!?

2022年2月1日 11:53
北京五輪日本代表124人出身地を深掘りすると、ある傾向が…過去には意外な出身地も!?
日本代表選手124名のうち、113名は「東」出身。ウインタースポーツが盛んな地域の出身者が多くを占めます。

北京五輪に出場する日本人選手は124人。全員の出身地を調べたところ、大多数が北日本・東日本エリアの出身であることがわかりました。冬季五輪ならではの傾向ですが、意外な事実も!? データでフカボリ!北京五輪――。

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日本代表選手124人が参加しますが、そのうち113人は北日本・東日本エリアの出身者で、京都府以西の出身者はわずか9人(他、海外出身者が2人)です。

出身都道府県別に見ていくと、最多は北海道で46人、次いで長野の16人、新潟の10人の順で、「ウインタースポーツ」が盛んな地域から多くの五輪選手が輩出していることが分かります。

■最多の北海道、競技ごとに出身地に偏り

北海道出身の選手たちを、さらに出身自治体別に分けると、ある傾向が分かります。

アイスホッケー女子に出場する23人のうち北海道出身者は16人ですが、そのうち7人が苫小牧市出身、3人が釧路市出身。

女子カーリングでは、5人中4人が北見市出身、スキージャンプでも9人中3人が上川町出身と、競技と地域に相関性が見られます。

釧路市出身で、日本アイスホッケー連盟の強化本部長を務める本間貞樹さんは、同じ北海道内でも市民に根付いているスポーツには違いがあるといいます。

「北海道の南側に位置する釧路市や苫小牧市は、道内の他のエリアよりも雪が少なく、スキーやスノーボードよりスケートが盛んです。十勝地方も平野のためスキー場が多くなく、やはりスケートが盛んです」(本間さん)釧路市や苫小牧市の小学校にはかつて、校庭の隅に雪を固めたり、水を撒いたりして作った屋外のスケートリンクがあり、多くの子供たちが、幼い頃からスケートを楽しんでいたといい、スケート人口の多さが選手を多く輩出している理由ではないかと話します。

■地元の漁師や農家も興じた「カーリング」

カーリングの出場選手では、5人中4人が北見市の出身。

カーリングの聖地とも呼ばれる北見市常呂町の常呂カーリング倶楽部の事務局長・鈴木繁礼さんによると、常呂町に国内初の屋内型カーリング施設が建設されたのは1988年。

北海道と姉妹都市提携を結ぶカナダ・アルバータ州が、カナダの国民的スポーツであるカーリングの講習会を道内で開催、参加していた常呂町の町民が地元に持ち帰ったのがきっかけだそうです。

「常呂の冬は、流氷で漁も農作業もできません。そのため、漁師や農家の方が冬の間にカーリングをすることもあったそうです」(鈴木さん)

■「五輪遺産」などの施設が影響も

北海道の次に多かったのは、16人の選手を輩出した長野県。

前出の本間さんは「競技施設の多さ」が、長野県勢の強さにも影響していると指摘します。

「長野では1998年に冬季五輪が開催され、スキー場はもちろん、スケートなどができる屋内型施設などの五輪遺産が多数あることから、ウインタースポーツをより身近に感じられる環境です。スキージャンプ選手を多く輩出している北海道の下川町や上川町はやはり、一般的には珍しいジャンプ施設が、町内に複数存在しています」(本間さん)また、10選手の出身地である新潟には、北海道、長野に次いで多い58か所のスキー場が存在し、スキーやスノボの競技人口も多いということです。

■「南国」出身選手も参加する北京大会

北京大会では、スノーボード競技に参加する鬼塚雅さんが熊本県出身で、日本最南端出身の選手です。

熊本県の担当者によると、熊本県出身の冬季五輪選手は2006年のトリノ大会、2010年のバンクーバー大会にスピードスケート選手として参加した藤本貴大さんについで2人目だということです。

■これまでの冬季五輪で「最南端」出身の選手は?

では、これまでの冬季五輪に参加した日本代表選手のうち、最も「南」の出身選手は誰でしょうか?沖縄県や宮崎県などに問い合わせたところ、いずれも「県出身者の冬季五輪参加者は記録にない」と回答しましたが、調査を続けると、鹿児島県出身のスケート選手が冬季五輪に参加した記録が見つかりました。

中学まで鹿児島県内で生まれ育ったという鈴木智子さん(旧姓・田中)は、1988年にカナダ・カルガリーで開催された冬季五輪のフィギュアスケート「アイスダンス」競技に出場。

当時は「南国出身」ということで面白がられたと振り返ります。

「これまでの冬季五輪出場者の中で、最も南の出身は私だと思います。高校からは上京して競技を続けましたが、以前は鹿児島にもスケートリンクがあり、そこで滑っていました。当時は南国からやってきたスケーターなどと、面白がって新聞に書かれたりしました」(鈴木さん)ちなみに「アイスダンス」は男女ペアで参加する競技ですが、鈴木さんは五輪にペアを組んで参加した男性パートナーの鈴木弘幸選手(福岡県出身)とその後、結婚。

現在は福岡県内で、スケートの指導者として夫婦で活動を続けているということです。

※出身地は各競技連盟や自治体の発表をもとに集計しています。