北京五輪日本代表124人出身地を深掘りすると、ある傾向が…過去には意外な出身地も!?

北京五輪に出場する日本人選手は124人。全員の出身地を調べたところ、大多数が北日本・東日本エリアの出身であることがわかりました。冬季五輪ならではの傾向ですが、意外な事実も!? データでフカボリ!北京五輪――。
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日本代表選手124人が参加しますが、そのうち113人は北日本・東日本エリアの出身者で、京都府以西の出身者はわずか9人(他、海外出身者が2人)です。
出身都道府県別に見ていくと、最多は北海道で46人、次いで長野の16人、新潟の10人の順で、「ウインタースポーツ」が盛んな地域から多くの五輪選手が輩出していることが分かります。
■最多の北海道、競技ごとに出身地に偏り
北海道出身の選手たちを、さらに出身自治体別に分けると、ある傾向が分かります。
アイスホッケー女子に出場する23人のうち北海道出身者は16人ですが、そのうち7人が苫小牧市出身、3人が釧路市出身。
女子カーリングでは、5人中4人が北見市出身、スキージャンプでも9人中3人が上川町出身と、競技と地域に相関性が見られます。
釧路市出身で、日本アイスホッケー連盟の強化本部長を務める本間貞樹さんは、同じ北海道内でも市民に根付いているスポーツには違いがあるといいます。
「北海道の南側に位置する釧路市や苫小牧市は、道内の他のエリアよりも雪が少なく、スキーやスノーボードよりスケートが盛んです。十勝地方も平野のためスキー場が多くなく、やはりスケートが盛んです」(本間さん)釧路市や苫小牧市の小学校にはかつて、校庭の隅に雪を固めたり、水を撒いたりして作った屋外のスケートリンクがあり、多くの子供たちが、幼い頃からスケートを楽しんでいたといい、スケート人口の多さが選手を多く輩出している理由ではないかと話します。
■地元の漁師や農家も興じた「カーリング」
カーリングの出場選手では、5人中4人が北見市の出身。
カーリングの聖地とも呼ばれる北見市常呂町の常呂カーリング倶楽部の事務局長・鈴木繁礼さんによると、常呂町に国内初の屋内型カーリング施設が建設されたのは1988年。
北海道と姉妹都市提携を結ぶカナダ・アルバータ州が、カナダの国民的スポーツであるカーリングの講習会を道内で開催、参加していた常呂町の町民が地元に持ち帰ったのがきっかけだそうです。
「常呂の冬は、流氷で漁も農作業もできません。そのため、漁師や農家の方が冬の間にカーリングをすることもあったそうです」(鈴木さん)
■「五輪遺産」などの施設が影響も