【独占取材】サニブラウン五輪メダルへ「本当の壁は9秒90」 すべてを懸けフロリダを拠点にする理由とは
拠点とするアメリカで日本テレビの単独インタビューに応じ、メダル獲得への『壁』を語りました。
サニブラウン選手は世界選手権100mで、日本勢として初めて決勝の舞台を走り7位入賞。日本陸上界の歴史を動かしましたが、「いやぁ…まだ7番目ですね。まだ1番は遠いかなっていう感じです。メダルもとりたかったですし、もっと言えば勝ちたかったなっていうのはありますし、満足はまだまだできないなっていう感じです」と振り返りました。
目標とするメダル獲得に向けては、「決勝行くので結構いっぱいいっぱいだったので、やりきった感は少し出ちゃってたところがあって、そこでしっかり切り替えられる人がやっぱりそのレースで結果出して、メダルや優勝する人だと思いますし、そういうところはまだ自分に足りていなかったのかなっていうのはあると思います」と語りました。
1年前の東京五輪では、100mは出場権すら獲得できず、200mは予選敗退。実はこのとき、戦える状態ではなかったといいます。
「ヘルニアが3か所で、同時だったので、腰の痛み自体は、2か月3か月ぐらいで治ったんですけど、そこから神経痛がひどく、歩いても座っても、寝っ転がっても、神経痛感じるくらいではあったので、靴下もはけないしという」スパイクをはいて走れるようになったのは、東京オリンピックのわずか2か月前。
当時、ケガのことを一切公表しなかった理由を明かしました。
「痛かろうが、つらかろうが、走らなきゃいけないものは走らなきゃいけないので、それを言い訳にしたくないなっていうのはやっぱりあって、痛い、つらい中、しっかり頑張っているっていうのを自分だけわかっていればいいかなっていう。あとあと『そうだったんだ』ぐらいで世間の方々に知ってもらえればいいかな、ぐらいですね、自分的には」ケガの経験から、より体づくりを意識。
今年2月から栄養士をつけ、毎日の食事を作ってもらっています。
「朝昼晩適当だったのが、帰ってすぐ栄養とれるので、体のリカバリーに対してものすごくよかったですし、しっかりと自分に必要そうなものを用意してくれるので、本当にものすごく苦労が減ったかなって感じですね」体の大きなサニブラウン選手が1日に必要なエネルギーは、成人男性のおよそ2倍の4000キロカロリー以上。間食や夜食を取り入れ、1日5食から6食にわけることで、エネルギーや栄養素を補っています。
そんなサニブラウン選手の携帯の待ち受け画面は3年以上使っているという東京タワー。日本に思いをはせながらも、あえて日本を離れ、フロリダを拠点としている理由とは。
「全てを懸けるくらいじゃないと上にはいけないですよね。中途半端に甘えてる気持ちがあると、やっぱりどっかでほころびがうまれるかなっていう」「トップの選手を見ていると、人生が陸上みたいなもので、本当にものすごい厳しい世界。温室で心地いいところでやっていても絶対勝てないので、日本から出てきて全く違う環境で、トップレベルのそういう人たちに もまれながらやるのにはやっぱりものすごく意味がある」フロリダでは、世界選手権銀メダルのM・ブレーシー選手や銅メダルのT・ブロメル選手など、世界トップ選手と共に汗を流すサニブラウン選手。そのため、日本で騒がれる9秒台も、ほとんど意識していません。
「(9秒台は)気づいたらホイホイ出るかなっていう感じです。本当に壁っていうなら9秒90だと思いますよ。そこ(9秒90)から下は人数が激減するんで。そこがメダルラインですし、本当に壁だとしたらそこだと思いますよ。越えていかなきゃいけないようなものかなっていう感じです」東京五輪も今年の世界選手権も、メダリストのタイムは9秒8台。
さらなる飛躍を誓うサニブラウン選手は、大きな目標を掲げました。
「目指すなら1番上を目指したいですし、自分に限界は決めたくない。記録的な目標だったら世界記録ですし、順位的な目標だったら、五輪で金や、世界陸上で金ですし、誰も塗り替えられないような歴史が作りたいかなっていうのが1番の思いですね」